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・辿りつく 先には・
第1章 『突然』
賭けてみようと思った訳ではない。 ただ性格上 本来の私はなんにでも興味があると 誰がなんと言おうと追求をしてしまうのだ。

何かが起ころうとしている、そう強く感じる 手の平が熱かった。まるでその小さな紙から炎が放たれ 自分の心に火を燈したように。

胸に手を当てる、もう何も迷う事はないんだと思った。

鬱病から上がり 夫ともこの先 やって行く事は難しいと思うと、話しはしていた。
最初は引き止められたがまた 二人は冷戦状態に入った。

この関係を壊してしまいたかったのも事実だったし、私にもう一度 人を愛せる勇気と力が残っているのかも知りたかった。

それがこの曇り空の人になるかは全く分からなかったし、そのあとに沢山の世界が広がるとは絢音自身すらも まだ分かっていなかった。

ネットの世界で距離はなく、二人を一瞬にして繋げた。

曇り空の人を思い、晴れた空を見渡す。いずれその空も雲が沢山 やって来るだろう。

まるでそれは、絢音の心を埋め尽くす 暗雲。

心がザワザワする、自分の感は今まで外れた事はない。霊感が強い分、そう思った。

パソコンを閉じて、窓際にたった。まだ緑の出ない木々達の風景は淋しげであったが、風には少し春の匂いがしている。
動めく、春の大地と共に動こう。そう思っていた。本当の愛を忘れてはいけないとも。

絢音は手を握りしめながら空を見つめ、遠い西の地にいる人を思うのだった…

魂を奪われる程の愛が待っているとも知らずに。
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