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・辿りつく 先には・
第1章 『突然』
その紙を眺め 指に挟み 顔の前に持って来てひらひらと揺らす。悩む心の現れのように紙は指から滑り落ちた。

あっと思い 左手がそれを受け止めれたのだ。このまま落ちていたら、多分メールはしなかっただろう。だが受け止めてしまった、無意識に。けれど、そういう時の感を絢音は信じて生きてきた方だった。

迷ったら進め、そうも思った。鬱病から立ち上がり思った事。考えて、考えて 自分の心は萎えて暗闇に落ちて行った。

これが光りになるとも、まだ分からなかったが 何かが自分を追い立てるのを感じていた。

一日、だけ時を置いて そう思って アドレスを打ち込み 今のクリアーな気持ちを打ち込み 明日 朝一番でメールをしようと 思ったのだった。
すぐにメールをしても、あちらの期待に応えたようで悔しいからもあった。

それに笑った、絢音。悔しいって何に?昔からの私の悪い癖だなとも。男性に優しく対応しているのは、表だけで結婚生活すらまともに上手く出来なかった。

それは初めて付き合った人には 自分の友人と付き合うようになったと言われ、実は今の結婚も二回目だった。若い時に 駆け落ち同然で家を出てみて四年半で離婚してしまった。

相手のお金 の借金によるものだったので、愛情云々ではどうにもならなかった。その、最後には妊娠 流産まで まるでドラマのような展開だねとか 人には良く言われたけれどそんな 生温いものではなかった。

常に 自分が悪かったのかと責めながらも、二回目の結婚は上手く行くように努力をしたのに流産のせいか子供も出来にくかった。

そんな事をしているうちに 鬱病になり 諦めかけていた夫や自分自身の気持ちを 奮い立たせたのは ある出来事だった。

そして今日 初めて また 自分の心に侵入をしてきた男性に 興味を持ちつつも、男なんてみんな私を幸せになんてしてくれない。

そんな気持ちが常にあったのは事実だった。
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