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・辿りつく 先には・
第9章 『調教』
自分の知らない奥底から何かを、引き出される。隠していたMの血が、溢れ出すようで身をさすった。

「寒いんか? こっちぃ。」

すっぽりと抱き寄せられる。海を眺めながら、二人は道端で少し夜景を目にしていた。

静けさの中に、人の歩く音や 車の音が混じって 夜をかたどっていたのだった。

「綺麗やな、夜景も 絢音も。」

顎を頭の上に置かれ、背中から手を回されていては逃げようが無かった。

こういう環境を作るのが上手く、自然過ぎて直ぐに腕の中に包まれ安心を与えられてしまう。

それは聖が不安であるが為の行いだったが、それが二人の距離を縮めていた。

「絢音、何時までも側にいたって。愛してるから、ずっと…」

自分の愛を信じる事は出来た、だが男からの愛を望みながらそれを貰う事を恐れた。いつも、いつも そうだった。流れる想いが水面を滑る様だ。

「貴方が本当に、私を離さないなら 私は貴方の側にずっといれるわ。だから、聖 忘れないで。この手で私を抱きしめてる事を…」

「忘れへん、だから愛してる言うて絢音。」

上を見上げ、心が揺れる。二人の肌から、心が溢れ出し魂が混じり合う様だった。瞳を今度は、反らさなかった。

「それはまだ言えないわ、聖。分からないから。心が騒めいて…でも、この先もずっとずっとこの胸にいさせて、お願い…」
「泣かんで、悲しゅうなる。」

唇は強く強く塞がれた、泣かせたくなくてその口を閉じさせた。二人の溢れる想いが交わり溶ける様な口付けは固まった心を溶かして行く…何時までも何時までも 今の時を忘れたく無かった。

この一瞬と言う名の、永遠が欲しかったのだ。

ずっと ずっと、探していた そして出会ってしまった二人。

想いは何処へ行くのか、海は静かに二人を包み春風は心を包んだ。

夜はどんどんと、二人の距離を押す様にふけて行くのだった…

重なる影は、夜景の中に溶けた。


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