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・辿りつく 先には・
第12章 『情事』
せっかくこちらまで来たのだから、みなとみらいで少し散歩をしながら一日を過ごす事にはした。

色々な想いはあったが、お互い今は悲しみを忘れていたかった。

話をしてから、少し無口になった聖の気持ちを上げたくてお洒落をして姿を見せるとちょっと反応してくれた。

トルコで買ってきた緑色のワンピースに、赤い珊瑚のネックレスにお揃いのブレスレット。

アクセサリーに興味を示したみたいだった。

「そういう個性的な感じが、よう似合うわ。けど、中のカットソー脱いで 暑いやろ?」

「カットソーを脱いだら、聖が付けた後が 見えちゃう。」

股の間に、体を挟まれベッドの縁に座っていた聖に見上げられネックレスを弄られる。

肌を触られている訳ではないのに、背中がぞわぞわする。

見つめられると、羞恥心が煽られた。

背中から手を入れられカットソーが、持ち上げられる。

「お出かけしないの?行きたいってそう話てたから。」

「だからこれを脱いでって言うたやん。」

さらさらと、脱がされてしまう。白い胸元があらわになると、紅い聖の証が浮き出る。それにキャミソールタイプのワンピースの為に、谷間まで丸見えだ。

恥ずかしさに、顔を染める。その顔を見るのが何より、楽しみだった。

「一日、愉しませてくれるんやろ。だったら、言うことききや。」

ぎゅと胸を捕まれた。心臓、が命令を聞く。

せめてもショールをさせて貰い、ニヤつく聖に抗議を飛ばしそうになると出る前に また唇を奪われるの繰り返しだった。
聖は、その態度を外でも変えないのを分かっていたので反抗することが出来なくなっていた。

みなとみらいに着くと、春のイベントもあちこちで行われていて賑やかに人々が溢れかえっていた。
手を繋いでいれば、多分 恋人の様に見えたか子供のいない夫婦に見えただろう。
仲良く、話ながら何かあれば頬を寄せて来る聖の体温が心地好いが気恥ずかしかった。

自分から寄って行く、事は懐けばあったが反対にこんなにも寄って来られた事が無かったので本当にどうしていいか分からなかった。

嬉しい反面、それは恐さにもなった。

与えられた愛が大きければ大きい程、失うのが怖い。

だから愛し合う事が出来なかったかのかもしれない。
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