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・辿りつく 先には・
第12章 『情事』
想いは聖の言葉で流され、現実に戻された。目の前に迫る、大きな観覧車が目に入って来る。

「せっかく来たんやから、あれに乗りたい。晴れてるし、景色ええやろ。」

「観覧車~私もあれには乗ったことないかも。昔、来たことはあるけど。」

チケットを買い並ぶ、二人。沢山の人々が列を作っていた。
この中に世間からは、外れた関係である人は何組いるのだろうか?

聖はそんな事はもう一度、外れてしまえば何度やっても同じで人間の慣れ感覚がいいのか悪いのかが判断出来なくなると言っていた。

だが、互いに鬱病を患っている間柄としては悲しみからはなるべく遠ざかっていたかったのが事実だった。

手を繋いでいたのを引かれる。階段だったからだ。ふわりと上を見上げると、並んでいる男性と目が合い視線を反らす。

だが、明らかにあちらは風ではだけた胸元に視線が行っていた。それに戸惑い、頬がほてるのが分かる。肩をぐいと引き寄せられ、耳元に声が落ちる。

「なんや、まさか見られて感じてる言わんよな?僕が絢音の主やから、他に反応すれば仕置きやよ。」


お仕置きの言葉に反応する絢音。昨日の夜の出来事を思い出して更に、顔を赤くした。

身体が言葉に、反応を始める。調教を受けた身体は主の言葉には、従順になってしまうようだった。

身体が、本当に作り変えられてしまった気持ちがしてならなかった。

言葉と言う、絶対的な支配を感じる。それは絢音、自身が多くの言葉の中で生きて来た証拠だった。
下半身が熱い。来る前に、脱がされたのはカットソーだけではなかった。

下着の一切を、奪われていたのである。キャミソールの上にはすぐにワンピースしか、着ていない。

見られていれば、すぐにでも気付かれてしまうだろう。

だから、先程の男性もまじまじと厭らしい視線を絢音に向けていたのだ。

今は再び魔王の顔になりつつある、聖が容赦なく見つめて来ている。

視線だけでも、太股の間を濡らす様な淫らな女になりたくなくて、ぐっと力を入れていたが溢れ出す物をどうする事も出来なかった。
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