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ロッカールーム
第20章 19日目…日中…♂&♀
僕は手紙を彼女の手に返した。
彼女はそれを震える手で受け取る。
一方的な手紙なんかで終わらせるつもりはない。
周囲の視線が集まる。
彼女はそれを払うように、
「あ、そうですね。すみません、間違えました。ありがとうございます。」
と言い。
それの向きをすぐに変えた。
味気無い事務用の封筒、宛先は僕になっていたが、隠した裏側の差出人は、
『ひな』…と書かれていたからだ。
「いえいえ、いつもありがとうございます。」
僕はいつも通りの返事を返した。
彼女が課を出ると先輩が言う。
「珍しいね、鈴木さんが初歩的なミスするなんて…」
「彼女だって人間だし全くミスがないってのも不気味じゃないですか?」
「あははそうだね。」
その場の雰囲気は元に戻った。
差出人は本名でもいいはずだ。
逆に『ひな』だけ書かれた封筒なんて、もらう僕が怪しまれる。
席で開封しないようにと考えたのだろうか。
でもいい、君は自分から、会社で『ひな』になったんだ。
僕も、会いたくなったら会社で『ひな』に会わせてもらうことにするよ。
彼女はそれを震える手で受け取る。
一方的な手紙なんかで終わらせるつもりはない。
周囲の視線が集まる。
彼女はそれを払うように、
「あ、そうですね。すみません、間違えました。ありがとうございます。」
と言い。
それの向きをすぐに変えた。
味気無い事務用の封筒、宛先は僕になっていたが、隠した裏側の差出人は、
『ひな』…と書かれていたからだ。
「いえいえ、いつもありがとうございます。」
僕はいつも通りの返事を返した。
彼女が課を出ると先輩が言う。
「珍しいね、鈴木さんが初歩的なミスするなんて…」
「彼女だって人間だし全くミスがないってのも不気味じゃないですか?」
「あははそうだね。」
その場の雰囲気は元に戻った。
差出人は本名でもいいはずだ。
逆に『ひな』だけ書かれた封筒なんて、もらう僕が怪しまれる。
席で開封しないようにと考えたのだろうか。
でもいい、君は自分から、会社で『ひな』になったんだ。
僕も、会いたくなったら会社で『ひな』に会わせてもらうことにするよ。