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ロッカールーム
第20章 19日目…日中…♂&♀
物品倉庫は、会議室や食堂など課のないフロアにまとめられている。

空調などの節約だろうか、だから、昼休み以外や会議のない時は、だれも居らずひっそりとしている。

さらには、エレベーターから片方が会議室、物品倉庫は食堂側のその奥の端だ。

つまり誰もこない訳だ。

他の課の搬出が早く終わったのか、彼女は扉の前で僕を待っていた。

「お待たせしてすみません。」

「いえ、そうにスケジュールしたのです。どうぞ。」

僕を先に中に通し、後から入って内側から鍵をかけた。

ふふん、やっぱりここで話をする気だ。

彼女が少し奥の棚の間に進む。
普段なら入口すぐか、外側に荷物は出されているので。奥に入ったことがなかった。


後を追いかけ曲がると、
冷たい剥き出しのコンクリートの床に、彼女が正座していた。

そして、僕の目を一度見て、頭を下げてひれ伏し、

「お願いします。佐藤さん。あそこで、【ロッカールーム】で働いていることを秘密にしてください。」

「『ひな』」

彼女がその呼び名にビクリと怯える。それだけでゾクリとした。

「佐藤さんはやめてくれよ。今は鈴木さんじゃなく『ひな』として俺に会ってるんだろう?」
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