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残像
第3章 囚われの生活
自分の身体の何処が変わったのかはすぐに分かった。

なくなったものがある。

だが、それが何を意味するのかは解らなかった。

目付きの悪い男が部屋に入ってきて、八尋は思わず襁褓を戻した。

「…見たか。」

八尋はこくりと頷く。

「お前はもう男ではなくなった。この先、他の大人の男の様に身体が筋張り硬くなることもないだろう。旦那様が、いたくお前をお気に入りだ。従来の稚児のように、大人になるのを惜しまれるのでな。これでお前は一生旦那様の元で飼われるということよ。今まで通り、励め。」

男は部屋を出て行った。

大人にならぬ。

あの主人の欲が枯れるまで、一生慰みモノとして生きる…

八尋は、遠くに見えた光明が、ふつ、と消えるのを感じた…
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