この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
残像
第2章 記憶
目が覚めたとき。
八尋は下腹部に鈍い痛みを覚えた。
いつもとは違う。
行為の後、痛むのは後ろだ。
痛む位置が違うのは判った。
時とともに、鈍い痛みは徐々に鋭さを増し、錐で突かれるような痛みに変化した。
痛みから逃れたいのに身体が重くて動かない。
目だけで痛む箇所を確認しようとすると、赤子のように襁褓(むつき)を当てられているのが見えた。
何だこれは…
厠に行きたい、と思っても痛みで思うように身体が動かず、仕方なくそのまま出すしかなかった。
不快感と痛みを訴えると下女がやってきて、蔑みと憐みが混じったような複雑な顔で襁褓を換えられた。
八尋は今、十二歳。
通常であれば襁褓を当てられる歳でもないし、女に局部をさらすことにも抵抗を感じるはずだった。
だが彼は、何も感じない。
何かを感じる心など、もうとうに無くしていた…
八尋は下腹部に鈍い痛みを覚えた。
いつもとは違う。
行為の後、痛むのは後ろだ。
痛む位置が違うのは判った。
時とともに、鈍い痛みは徐々に鋭さを増し、錐で突かれるような痛みに変化した。
痛みから逃れたいのに身体が重くて動かない。
目だけで痛む箇所を確認しようとすると、赤子のように襁褓(むつき)を当てられているのが見えた。
何だこれは…
厠に行きたい、と思っても痛みで思うように身体が動かず、仕方なくそのまま出すしかなかった。
不快感と痛みを訴えると下女がやってきて、蔑みと憐みが混じったような複雑な顔で襁褓を換えられた。
八尋は今、十二歳。
通常であれば襁褓を当てられる歳でもないし、女に局部をさらすことにも抵抗を感じるはずだった。
だが彼は、何も感じない。
何かを感じる心など、もうとうに無くしていた…