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残像
第8章 サチ
集落の外れに、そこそこの大きさの家を見つけ、あの家を買いたい、と持ち主を探す。
サチは、火傷の顔を晒すのを嫌がった為、外向きの用は全て八尋がした。
家の持ち主は難なく見つかったが、即金で大金を払うと金持ちと思われて狙われたり、要らぬ詮索をされても困るから、毎月いくらか決めて支払うことにし、賃料のように、持って行く約束をした。
特に女装をしていなくても、八尋は女と思われているようで、それならば、と買い物なども女装していくようになった。
そして、女の格好をしていると、おまけが付いたり端数を切ってくれたりと、得する事が多いことに気付く。
サチとは姉妹、と思われているようなので、それはそのようにしておいた。
サチは、今までは動きやすいよう、後ろでキリッと髪を縛っていたが、なるべく火傷の痕が目立たないよう、右側の顔に掛かるように髪を垂らし、残った髪を後ろで緩く縛った。
そして、顔に火傷があるから人前に出たがらないのだ、と言って通した。
八尋が表に立っているせいか、人からは以前と打って変わって、気の毒に、と哀れまれることはあっても、避けられる事はなかった。
サチは、火傷の顔を晒すのを嫌がった為、外向きの用は全て八尋がした。
家の持ち主は難なく見つかったが、即金で大金を払うと金持ちと思われて狙われたり、要らぬ詮索をされても困るから、毎月いくらか決めて支払うことにし、賃料のように、持って行く約束をした。
特に女装をしていなくても、八尋は女と思われているようで、それならば、と買い物なども女装していくようになった。
そして、女の格好をしていると、おまけが付いたり端数を切ってくれたりと、得する事が多いことに気付く。
サチとは姉妹、と思われているようなので、それはそのようにしておいた。
サチは、今までは動きやすいよう、後ろでキリッと髪を縛っていたが、なるべく火傷の痕が目立たないよう、右側の顔に掛かるように髪を垂らし、残った髪を後ろで緩く縛った。
そして、顔に火傷があるから人前に出たがらないのだ、と言って通した。
八尋が表に立っているせいか、人からは以前と打って変わって、気の毒に、と哀れまれることはあっても、避けられる事はなかった。