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契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第20章 【二十話】慣れないこと
■ □ □
予定どおり、一時間後には景臣の運転する車で会場に移動することになった。
脱衣所には、景臣が言ったとおりに黒い下着と黒の薄手のストッキング、フォーマルワンピースが用意されていた。玲那はそれに着替えて同じように用意されていた真珠のネックレスをして、長い髪もおろしたままにした。
「式は午前十時からとなります。玲那さんは親族側ではなく来賓として参列していただきます」
「……はい」
「会場の周りには報道関係者がかなり来ているとの情報でしたので、私たちは裏口から中へ入ります」
道弘は殺されたと報道がされているという話なので、あちこちのメディアが取材に来ているのだろう。
とそこで、ふと疑問に思ったことがあったので、玲那は口を開いた。
「あの、もしかしなくても、筒宮の家に取材は……」
「来ているようですよ」
「そう、ですか」
両親に迷惑をかけてしまったことにここで気がつき、玲那はうつむいた。
景臣はちらりと玲那を見て、ため息とともに言葉を口にした。
「筒宮さまのことを心配されているのでしょうが、さすがにしたたかでいらっしゃる。取材が来ることをいち早く察して、奥さまとともに一流ホテルに避難済みですよ」
「…………」
「宿泊費に関しては十朱が持ちますから、玲那さんはなにひとつ、ご心配されることはありませんよ」
予定どおり、一時間後には景臣の運転する車で会場に移動することになった。
脱衣所には、景臣が言ったとおりに黒い下着と黒の薄手のストッキング、フォーマルワンピースが用意されていた。玲那はそれに着替えて同じように用意されていた真珠のネックレスをして、長い髪もおろしたままにした。
「式は午前十時からとなります。玲那さんは親族側ではなく来賓として参列していただきます」
「……はい」
「会場の周りには報道関係者がかなり来ているとの情報でしたので、私たちは裏口から中へ入ります」
道弘は殺されたと報道がされているという話なので、あちこちのメディアが取材に来ているのだろう。
とそこで、ふと疑問に思ったことがあったので、玲那は口を開いた。
「あの、もしかしなくても、筒宮の家に取材は……」
「来ているようですよ」
「そう、ですか」
両親に迷惑をかけてしまったことにここで気がつき、玲那はうつむいた。
景臣はちらりと玲那を見て、ため息とともに言葉を口にした。
「筒宮さまのことを心配されているのでしょうが、さすがにしたたかでいらっしゃる。取材が来ることをいち早く察して、奥さまとともに一流ホテルに避難済みですよ」
「…………」
「宿泊費に関しては十朱が持ちますから、玲那さんはなにひとつ、ご心配されることはありませんよ」