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契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第20章 【二十話】慣れないこと
そう言われて、玲那はため息を吐き出しそうになったが、ぐっと我慢した。
玲那の両親がそういったことの回避に長けているのは知っていた。今までもそうやって、のらりくらりと避けてやってきているのを玲那は幼い頃からずっと見てきた。だから今さら驚きもしない。
「娘を売って、自分たちは火の粉のかからない場所に人の金で逃げる。さすがです」
そうして景臣は喉の奥で笑うと、続けた。
「その最たる犠牲者は、あなたですね」
犠牲者、と玲那はその言葉のみ拾い取り、口にした。
端から見れば、両親に売られた悲劇のヒロインかもしれない。しかし玲那自身はそんなことを微塵も思っていない。
両親に対しては、ここまで育ててくれた恩義はある。しかしそれ以上に、言葉にできない憤りもあった。
あったが、あの人たちに今さら玲那がなにか言ったところで、改心するとは思えない。
現に喉元過ぎればなんとやらで、早速、新たに得たスポンサーにたかって、贅沢をし始めている。
「骨の髄までしゃぶられないといいわね」
玲那の口から思わず辛らつな言葉が出たが、景臣は笑っただけだった。
玲那の両親がそういったことの回避に長けているのは知っていた。今までもそうやって、のらりくらりと避けてやってきているのを玲那は幼い頃からずっと見てきた。だから今さら驚きもしない。
「娘を売って、自分たちは火の粉のかからない場所に人の金で逃げる。さすがです」
そうして景臣は喉の奥で笑うと、続けた。
「その最たる犠牲者は、あなたですね」
犠牲者、と玲那はその言葉のみ拾い取り、口にした。
端から見れば、両親に売られた悲劇のヒロインかもしれない。しかし玲那自身はそんなことを微塵も思っていない。
両親に対しては、ここまで育ててくれた恩義はある。しかしそれ以上に、言葉にできない憤りもあった。
あったが、あの人たちに今さら玲那がなにか言ったところで、改心するとは思えない。
現に喉元過ぎればなんとやらで、早速、新たに得たスポンサーにたかって、贅沢をし始めている。
「骨の髄までしゃぶられないといいわね」
玲那の口から思わず辛らつな言葉が出たが、景臣は笑っただけだった。