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契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第23章 【二十三話】わがままなお嬢さま
 玲那の口から、甘い吐息が洩れてしまった。
 それを景臣が聞き逃すわけなく、身体をひねって正面を向けてきた。景臣のワイシャツに勢いよく胸が擦られ、止める間もなく甘ったるい声が出た。

「あなたがこんなにもいたずら好きとは思いませんでした」
「シャワーを浴びに行くにも、服がないから」
「服など、要らないでしょう? どうせあなたはこの部屋にいる限り、俺に身体をもてあそばれるのだから。……それなら、こうしましょう。部屋に戻ってきたら、あなたは裸で過ごすこと」
「なんでですかっ」
「脱がすのもいいけれど、どうせ外に出るときにしか服は着ないのだから、最初から脱いでおいた方が効率的ですよね」
「効率的とか、そういう問題ではっ」
「それとも、あなたは着衣プレイがお好みなのですか」
「っ!」
「いいですよ。最初のときみたいに服までどろっどろになるくらい攻めてあげますよ」

 それはそれで嫌だったので、玲那は首を振った。

「それも嫌ですか。そういうわがままなところはお嬢さまですね」
「わがままではないです!」
「……それならば、俺が譲歩してあげましょう」

 景臣は口角をあげて、玲那を見つめた。
 あまりにもいい笑みに、玲那は思わず景臣を見とれた。

「バスローブのみ許可しましょう」
「……バスローブ」

 それは玲那が筒宮家にいたときにも愛用していたもの。
 タオル地の柔らかい着心地のバスローブを何枚か使用していて使い勝手が分かっていたため、それだけというのは心許ないものの、ないよりはマシだと思い、うなずいた。

「今日は無理ですが、早くて明日には手元に届くように手配をいたしましょう」

 そう言って、景臣はなにかを企んでいる顔をしつつ、笑った。
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