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契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第24章 【二十四話】高嶺の毒花
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 景臣と向き合うことになった玲那だが、キッと目をつり上げると意を決して、手を伸ばした。景臣は特に動こうとせず、玲那の行動を見守ることにしたようだ。なんだかその様子が余裕に見えてムッとしたが、今の状況はだれが見ても玲那が不利だ。
 景臣のワイシャツのボタンは半分ほど外されていて、はだけていた。中にはしっかりと白いシャツを着込んでいるあたり、ちょっとずるいと思いつつも、首元の鎖骨がちらりと見えることに気がついて赤くなりつつも、ボタンを外すことを続行した。
 後ろからより前からの方が外しやすいはずなのに、なぜかどきどきしてきて、上手く外せない。

「お手伝い、しましょうか」

 上から声を掛けられ、玲那はびくりと肩を震わせたが、首を振った。

「なかなかいい眺めなので、俺はこうしていつまで見ていても飽きないからいいですけど?」

 そう言われて、よくよく考えたら、玲那は一糸もまとわぬ姿だったことを思い出した。
 カーッと全身が熱くなったし、ますます手が震えて外しにくくなったけれど、景臣の着ているワイシャツを着るまでの我慢だと言い聞かせ、玲那はワイシャツのボタンを睨み付けながら必死に外した。
 すべてのボタンをはずし終え、ほっと一息ついたところで、景臣が口を開いた。

「ボタンを上手に外すことができましたね」

 子どもに対して言うような口調だったが、玲那は今、やり終えたという達成感に包まれていて、得意げに笑った。しかしすぐにボタンを外すだけでは駄目なことに気がつき、動揺した。

「景臣さん、脱いでください」
「脱がせてくれないのですか」
「っ!」
「玲那、ほらもう少しだ。頑張って」

 景臣はやはり余裕の表情で、玲那はかなり癪だった。
 襟元をつかむと、景臣の身体から剥がすようにして引っ張ったのだが、どうにも上手く脱がせない。
 悪戦苦闘している様子を、景臣は笑いながら見ていた。

 玲那はワイシャツを脱がせようと前身頃を開き、景臣の背中側へと押しやった。そうすると自ら景臣に抱きつくような形になった。

「積極的ですね」
「もうっ、協力してください!」
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