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契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第24章 【二十四話】高嶺の毒花
少し拗ねているように聞こえる声音に、景臣はまたもや笑った。
玲那はワイシャツの袖口を引っ張ったりしながらどうにか脱がすことに成功した。
してやったりと得意げに素肌に羽織ったのだが、思っているよりも大きくて、ぶかぶかだった。
その意味するところに気がついた玲那は、自分のあまりにも考えなしの無邪気な大胆さに急に恥ずかしくなり、手で顔を覆おうと思ったが、袖も長すぎて、指先がかろうじて出るくらいだった。
そんな戯れを景臣が無言でじっと見ているのに気がついた玲那は、顔を赤くして景臣の顔の前に手をかざした。
「みっ、見ないでください」
「それは無理な相談です」
「なんでですか!」
「……かわいい」
「……え」
「──……いえ、なんでもありません」
今、景臣の口から思ってもいなかった単語が出てきたような気がした。
玲那は気になって、景臣の顔の前にかざしていた手を外し、詰め寄った。
「今、なんとおっしゃいました」
「なにも」
「言いました!」
「……だから、なんでもないです。それより、早くシャワーを浴びてきてください。あそこの定食屋、夜は材料がなくなったら閉まるのですから」
「え、それは大変!」
玲那は慌てて景臣から離れて、ぱたぱたと足音を立ててシャワー室へと消えていった。
残された景臣の目元は、玲那が気がつかないくらいではあったが、ほんのりと赤くなっていた。
玲那はワイシャツの袖口を引っ張ったりしながらどうにか脱がすことに成功した。
してやったりと得意げに素肌に羽織ったのだが、思っているよりも大きくて、ぶかぶかだった。
その意味するところに気がついた玲那は、自分のあまりにも考えなしの無邪気な大胆さに急に恥ずかしくなり、手で顔を覆おうと思ったが、袖も長すぎて、指先がかろうじて出るくらいだった。
そんな戯れを景臣が無言でじっと見ているのに気がついた玲那は、顔を赤くして景臣の顔の前に手をかざした。
「みっ、見ないでください」
「それは無理な相談です」
「なんでですか!」
「……かわいい」
「……え」
「──……いえ、なんでもありません」
今、景臣の口から思ってもいなかった単語が出てきたような気がした。
玲那は気になって、景臣の顔の前にかざしていた手を外し、詰め寄った。
「今、なんとおっしゃいました」
「なにも」
「言いました!」
「……だから、なんでもないです。それより、早くシャワーを浴びてきてください。あそこの定食屋、夜は材料がなくなったら閉まるのですから」
「え、それは大変!」
玲那は慌てて景臣から離れて、ぱたぱたと足音を立ててシャワー室へと消えていった。
残された景臣の目元は、玲那が気がつかないくらいではあったが、ほんのりと赤くなっていた。