この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第27章 【二十七話】服従させることが悦び
 吐き捨てるように口にした言葉に、玲那は初めて景臣の人間としての感情をみたような気がした。
 今まで景臣とずっと一緒にいて、人間らしさが欠けているように感じていた。一緒に食事をして、寝て、という生活をしても、どうにも景臣が生きている人間のように感じられなかった。
 だけど今、初めて、景臣も人間だったと実感することができた。

「だから俺は、あの人たちから大切な金を奪うことにした」
「……それでわたしを『買った』のですか」
「そうですよ。あなたはともかく、あなたのご両親は俺にとってとても都合がよかった」
「…………」
「あの人たちは遠慮がない。金を湯水のごとく使ってくれて、見ていて清々しいですね」

 筒宮の家から出てからこちら、両親とはまったく連絡を取っていなかったが、金のことを気にしないでいいとなれば、本当にあの人たちなら遠慮することなく使うだろう。

「昨日辺りからハワイに行っているようですよ」
「…………」
「ハワイの次はドバイに行って、イタリアに行くということです」

 あまりのことに信じられなくて、玲那は目を見開いた。

「日本に帰ってきたとき、会社に席があればいいですけどね」
「────っ!」
「あの人たちのことだから、邪魔者がいない間に買収して傘下におさめていそうですね」
「……その方が、従業員たちは幸せだと思います」
「ははっ、これは最高ですね! 娘にまで見放されてしまうとは!」

 景臣は皮肉たっぷりにそういったようだが、玲那は本心でそう思っていた。
 自分たちは贅沢三昧なのに、社員たちにはケチっているのを玲那は知っていた。だからこそ困窮してきたというのに、あの人たちにはそれが見えていなかった。

「……まともに経営できない人たちがトップにいることは、たくさんの人にとって悲劇です」
「冷静ですね」
「わたしもなにもしなかったので、同罪です」
「なるほど。あなたは口だけですね。俺という庇護者がいるからこそ口にできる言葉」
「…………」

 玲那は景臣を睨み付けると、景臣は嬉しそうに笑った。

「そう。そうやって俺を憎めばいい」
「…………」
「反発すればするほど、服従させたときの悦びが大きくなる」

 そういって景臣はまた、笑った。
/278ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ