この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第28章 【二十八話】碧く深い海

□ □ ■
斎場につくと、入口には小牧がいた。どうやら玲那と景臣の到着を待っていた様子だった。
二人の姿を目にすると、大きく手を振ってきた。
「状況は」
「うん、まだだよ。今、読経を上げてもらってるところ」
小牧に案内されてたどり着いたのは、一際豪華な扉の前。小牧は躊躇することなく扉を開けると、中から思ったよりも大きな読経が聞こえてきた。
部屋の中は広く、しかし中には読経を上げている僧侶三名と、椅子に座った男性一人。あれはきっと、景臣の父だろう。
葬式の式場には入りきらないほどの人があふれていたのに、今は淋しい限りだ。
玲那は深々と頭を下げた後、部屋の端に行こうとしたら、景臣に腕を掴まれ、一人椅子に座っている男性の横に連れてこられた。
男性は気配を感じてこちらをちらりと見たが、すぐにだれか分かったようで、正面を向いた。
玲那は景臣に促され、男性の横の椅子に座った。
椅子はまだ余っているので景臣は横に座るのかと思ったら、後ろに立ったようだ。
小牧はと言うと、玲那の反対側の椅子に座った。
玲那は正面を向いた。
葬式の時にはなかった桐の匣──弘道の遺体の入った柩──の上には、遺影が置かれていた。あの中にかつて道弘だった身体が入っていると思うと、なんだか変な気分だ。
自分が死んだ後、やはりこんな感じで執り行われるのだろうか。
玲那は景臣に中身がなく空っぽだと言われたけれど、あの匣の中にある道弘こそが空っぽなのではないだろうか。
少なくとも今の玲那は、考えることが出来るし、動くことも出来る。
人は死んだら空っぽになる。
人の生き死にの概念をそんな風に思った玲那だった。
斎場につくと、入口には小牧がいた。どうやら玲那と景臣の到着を待っていた様子だった。
二人の姿を目にすると、大きく手を振ってきた。
「状況は」
「うん、まだだよ。今、読経を上げてもらってるところ」
小牧に案内されてたどり着いたのは、一際豪華な扉の前。小牧は躊躇することなく扉を開けると、中から思ったよりも大きな読経が聞こえてきた。
部屋の中は広く、しかし中には読経を上げている僧侶三名と、椅子に座った男性一人。あれはきっと、景臣の父だろう。
葬式の式場には入りきらないほどの人があふれていたのに、今は淋しい限りだ。
玲那は深々と頭を下げた後、部屋の端に行こうとしたら、景臣に腕を掴まれ、一人椅子に座っている男性の横に連れてこられた。
男性は気配を感じてこちらをちらりと見たが、すぐにだれか分かったようで、正面を向いた。
玲那は景臣に促され、男性の横の椅子に座った。
椅子はまだ余っているので景臣は横に座るのかと思ったら、後ろに立ったようだ。
小牧はと言うと、玲那の反対側の椅子に座った。
玲那は正面を向いた。
葬式の時にはなかった桐の匣──弘道の遺体の入った柩──の上には、遺影が置かれていた。あの中にかつて道弘だった身体が入っていると思うと、なんだか変な気分だ。
自分が死んだ後、やはりこんな感じで執り行われるのだろうか。
玲那は景臣に中身がなく空っぽだと言われたけれど、あの匣の中にある道弘こそが空っぽなのではないだろうか。
少なくとも今の玲那は、考えることが出来るし、動くことも出来る。
人は死んだら空っぽになる。
人の生き死にの概念をそんな風に思った玲那だった。

