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契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第30章 【三十話】収骨
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 どうして三百日問題が出てきたのか分からない景臣は、不機嫌な声を上げた。玲那もどうしてここで出てきたのか分からない。

「まさか、結婚も六ヶ月後にしろというのですか」
「いやいや、まさか。つい最近、再婚禁止期間が六ヶ月から百日になったのは知っているよね?」
「……知ってはいますが」

 景臣は強い視線で父を見た後、口を開いた。

「再婚禁止期間が短縮になったと同時に、前夫との間の子を妊娠していないという証明ができれば、禁止期間であっても再婚できると聞き及んでおります」
「うむ」
「玲那と籍を入れるのは社長の四十九日が過ぎてから。それまでに妊娠の有無を確認することはできますよね」

 景臣の問いに、父は無言でうなずいた。

「この再婚禁止期間というのは、正式に籍を入れている場合に適用されるのであって、事実婚などの場合は──」
「当てはまらないな。法的に前婚の解消または取り消しの効力が生じた日、とある」
「それならば、婚約して式を挙げてはいるものの、籍は入れていなかったのですから……」
「妊娠していないという証明がなされれば、すぐに籍を入れても問題ない」
「妊娠していないと証明されてからの入籍なので、社長が亡くなってから三百日以内に子が産まれても、それは籍を入れた夫との子となる」
「そこは婚姻の成立の日から二百日を経過した後、というのがキーになる」
「……そうでした」

 玲那は二人の応酬についていくのがやっとだった。
 要するに……。

「ヤッたかヤッてないかよりも、できてるかできてないかが重要ってことだね」
「……小牧、もうちょっと言い方ってものがないのか」
「どうも景臣と一緒にいると、緩んじゃってね」
「人のせいにするな」
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