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契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第30章 【三十話】収骨

どちらにしろ、玲那は道弘とそういうことをする前だった。だから道弘の子を妊娠している可能性はまったくない。
「それはともかく。山浦社長から遺言書を預かっているので、二・三日の間に招集をかける」
「やはり遺言書がありますか」
「年に一度、公正証書遺言を作るくらいの人だ」
「……それは」
「しかも玲那さんとの結婚が決まってすぐに書き換えている」
「そうだったのですか」
となると内容はなんとなく察することができたが、そのときになれば分かることなので、追求は止めておくことにした。
「遺言といえば、社長から口頭で承っていること……遺言というよりは雑談の一貫で言われたことがあります」
「ほう? 山浦社長はあまり雑談を好まない人だと思っていたが、案外、おまえには心を許していたのか」
「それは分かりませんが……。社長が親しくされていた方が亡くなって、葬式に行かれるときに、『自分が死んだら、海に散骨してほしい』とおっしゃっていました」
「あぁ、あの人は海が好きだったからね。さすがに全部を散骨するのはマズイだろうから、骨壺に入らなかったのを帰りにそこの海に散骨しよう」
「はい、ありがとうございます」
そんな話をしているうちに火葬が終わったとの連絡があり、玲那たちはお骨を拾うために移動した。
「それはともかく。山浦社長から遺言書を預かっているので、二・三日の間に招集をかける」
「やはり遺言書がありますか」
「年に一度、公正証書遺言を作るくらいの人だ」
「……それは」
「しかも玲那さんとの結婚が決まってすぐに書き換えている」
「そうだったのですか」
となると内容はなんとなく察することができたが、そのときになれば分かることなので、追求は止めておくことにした。
「遺言といえば、社長から口頭で承っていること……遺言というよりは雑談の一貫で言われたことがあります」
「ほう? 山浦社長はあまり雑談を好まない人だと思っていたが、案外、おまえには心を許していたのか」
「それは分かりませんが……。社長が親しくされていた方が亡くなって、葬式に行かれるときに、『自分が死んだら、海に散骨してほしい』とおっしゃっていました」
「あぁ、あの人は海が好きだったからね。さすがに全部を散骨するのはマズイだろうから、骨壺に入らなかったのを帰りにそこの海に散骨しよう」
「はい、ありがとうございます」
そんな話をしているうちに火葬が終わったとの連絡があり、玲那たちはお骨を拾うために移動した。

