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契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第32章 【三十二話】波乱を呼ぶ遺言書
 財産の相続がないと言われた憂佳と依里佳は立ち上がり、すごい勢いで公証人に向かっていこうとしたが、景臣の父──惣一郎──に手で制された。

「まだ怒るのは早いよ」
「だけど! なんでそこのビッチと腹の子に全額行って、娘のあたしたちにはないのよ!」

 とは依里佳。ちなみに憂佳はずっと黙ったままであるが、顔を赤くして息が荒くなっているところ、興奮して言葉が出てこないという感じであった。

「すまないけれど、続けてくれますか」
「はい。──資料一。川端憂佳と川端依里佳と山浦道弘のDNA鑑定報告書。詳細は現物を見ていただくとして、結論を申し上げますと、お二人には、山浦道弘由来と考えられる遺伝マーカーが欠乏しています、とあります。よって、山浦道弘氏はお二人の遺伝学上の父ではないという見解が──」
「……嘘っ!」
「え、そ、そんな……っ!」

 まさかの鑑定結果に、二人だけではなく、玲那と景臣、そして小牧も言葉を失った。
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