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契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第32章 【三十二話】波乱を呼ぶ遺言書

その一言に、昨日の景臣の言葉に違和感を覚えた。
どこかのタイミングで、真相を聞き出したい。
玲那はそう心に決めたところで、川端姉妹がにぎやかに現れた。今日の二人の服装は、おそろいのピンクのレースがふんだんに使われたワンピースだった。
対する玲那は、景臣の助言に従い、着慣れないグレイのスーツを着ていた。
「あらあら、呼ばれたのはあたしたちだけだと思っていたら、そこのビッチも呼ばれちゃってるの?」
とは、入室と同時に玲那を見つけた依里佳の言葉だ。玲那は、あまりにもあけすけな言葉を発する依里佳がとても苦手だ。
景臣の父は入室してきたのを見て、立ち上がった。笑顔を浮かべているが、若干、ひきつっているようにも見えた。
「川端さん、お忙しいところ、ご足労、ありがとうございます」
「本当よね。本来ならあなたたちに来てもらうのが筋ってものじゃない? もー、暑くって、汗だくよねー」
と文句を言いながら、憂佳と依里佳は乱暴に椅子を引くと、どかっと座った。
「それでは、時間も過ぎていますし、すぐに始めましょう」
景臣の父の言葉を合図に、外に待機していたらしい公証人二人が入室してきて、前に立った。
彼らは頭を下げ、自己紹介をした後、持参した道弘の遺言書の封を開け、読み上げた。
「遺言書。遺言者 山浦道弘は次のとおり、遺言する」
少し間があり、場が妙な静けさに支配された。
かさりと遺言書の紙が鳴り、公証人が口を開いた。
「一、筒宮玲那に以下の財産を相続させる」
そうして公証人は土地と建物、預金と読み上げた。
「二、次の者が懐胎していた場合、胎児は遺言者との間の子どもと認知する。
氏名 筒宮玲那。なお、遺言執行者として、十朱惣一郎を指定する」
その一文に、場がかなりざわついた。
さらには。
「付言事項。前妻との間の子であるとされている川端憂佳と川端依里佳には、別添の資料を根拠として、一切の財産の相続はなしとする」
「どういうことよ!」
どこかのタイミングで、真相を聞き出したい。
玲那はそう心に決めたところで、川端姉妹がにぎやかに現れた。今日の二人の服装は、おそろいのピンクのレースがふんだんに使われたワンピースだった。
対する玲那は、景臣の助言に従い、着慣れないグレイのスーツを着ていた。
「あらあら、呼ばれたのはあたしたちだけだと思っていたら、そこのビッチも呼ばれちゃってるの?」
とは、入室と同時に玲那を見つけた依里佳の言葉だ。玲那は、あまりにもあけすけな言葉を発する依里佳がとても苦手だ。
景臣の父は入室してきたのを見て、立ち上がった。笑顔を浮かべているが、若干、ひきつっているようにも見えた。
「川端さん、お忙しいところ、ご足労、ありがとうございます」
「本当よね。本来ならあなたたちに来てもらうのが筋ってものじゃない? もー、暑くって、汗だくよねー」
と文句を言いながら、憂佳と依里佳は乱暴に椅子を引くと、どかっと座った。
「それでは、時間も過ぎていますし、すぐに始めましょう」
景臣の父の言葉を合図に、外に待機していたらしい公証人二人が入室してきて、前に立った。
彼らは頭を下げ、自己紹介をした後、持参した道弘の遺言書の封を開け、読み上げた。
「遺言書。遺言者 山浦道弘は次のとおり、遺言する」
少し間があり、場が妙な静けさに支配された。
かさりと遺言書の紙が鳴り、公証人が口を開いた。
「一、筒宮玲那に以下の財産を相続させる」
そうして公証人は土地と建物、預金と読み上げた。
「二、次の者が懐胎していた場合、胎児は遺言者との間の子どもと認知する。
氏名 筒宮玲那。なお、遺言執行者として、十朱惣一郎を指定する」
その一文に、場がかなりざわついた。
さらには。
「付言事項。前妻との間の子であるとされている川端憂佳と川端依里佳には、別添の資料を根拠として、一切の財産の相続はなしとする」
「どういうことよ!」

