この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第35章 【三十五話】悪意

ない、と言えなかった。
もしもあのとき、景臣が部屋から飛び出していなかったら、玲那は景臣を探しに行くことはなかった。
「……俺は、護衛として失格だ」
とは言うけれど、まさか事務所の中でまたもや襲われるなんて思いもしないだろう。
景臣は眉間にしわを寄せたまま、口を開いた。
「もう一度、チャンスをくれるか」
「え……えぇ」
「次こそは、護る」
真摯な瞳に、玲那の心臓はきゅうっとなった。
それから景臣は、無言で玲那の手を握り続けていた。
もしもあのとき、景臣が部屋から飛び出していなかったら、玲那は景臣を探しに行くことはなかった。
「……俺は、護衛として失格だ」
とは言うけれど、まさか事務所の中でまたもや襲われるなんて思いもしないだろう。
景臣は眉間にしわを寄せたまま、口を開いた。
「もう一度、チャンスをくれるか」
「え……えぇ」
「次こそは、護る」
真摯な瞳に、玲那の心臓はきゅうっとなった。
それから景臣は、無言で玲那の手を握り続けていた。

