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契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第3章 【三話】『生きる』意味
初めて聞く話に、玲那は顔をあげて景臣を見た。
景臣は真っ直ぐ前を見て運転をしていたが、いつもより表情が険しかった。
「社長はかなり強引にビジネスをすすめる方でしたから、敵が多かったのです。だからこそ、あなたに護衛をつけたのですよ」
道弘の強引さは玲那でも知っていた。恨みを買っているだろうことは、容易にしれたこと。だけど逆に、味方でいるうちは大変に心強い存在でもあった。
そのことも考慮して、両親は玲那に道弘と結婚するように言ったのだし、道弘に熱心に玲那を進めたのだろう。敵に回すよりも、味方にして助けてもらおうだなんて、あの両親ならやりかねない。
玲那は、筒宮の家を、血を守るためであるのなら、それでいいと同意した。
「そして実際、社長が危惧されていたことが現実となった」
玲那の脳裏に急にフラッシュバックが起こり、まるで目の前に道弘が倒れているかのような光景が見えた。
「────っ!」
ひゅっと喉が鳴り、急に息が苦しくなった。
「玲那さん?」
「っ!」
「いけません。車を止めますから、少々お待ちくださいませ」
景臣はそう口にして、顔色を変えることなくウインカーを出すと、車道の端へと車を寄せた。
景臣は真っ直ぐ前を見て運転をしていたが、いつもより表情が険しかった。
「社長はかなり強引にビジネスをすすめる方でしたから、敵が多かったのです。だからこそ、あなたに護衛をつけたのですよ」
道弘の強引さは玲那でも知っていた。恨みを買っているだろうことは、容易にしれたこと。だけど逆に、味方でいるうちは大変に心強い存在でもあった。
そのことも考慮して、両親は玲那に道弘と結婚するように言ったのだし、道弘に熱心に玲那を進めたのだろう。敵に回すよりも、味方にして助けてもらおうだなんて、あの両親ならやりかねない。
玲那は、筒宮の家を、血を守るためであるのなら、それでいいと同意した。
「そして実際、社長が危惧されていたことが現実となった」
玲那の脳裏に急にフラッシュバックが起こり、まるで目の前に道弘が倒れているかのような光景が見えた。
「────っ!」
ひゅっと喉が鳴り、急に息が苦しくなった。
「玲那さん?」
「っ!」
「いけません。車を止めますから、少々お待ちくださいませ」
景臣はそう口にして、顔色を変えることなくウインカーを出すと、車道の端へと車を寄せた。