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契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第3章 【三話】『生きる』意味
 玲那が前置きもなく話を変えたことに景臣はすぐに気がつき、玲那が話しやすいようにと小さく首を傾げた。表情を変えることは少ないが、そういった何気ない仕草で、ことあるごとに玲那を促してくる。だから玲那はするりと思いを口にできた。

「わたしが早くに道弘さまの異変に気がついていたら、死なないで済んでいたのでしょうか」

 玲那の質問は、景臣の想定内だったのか。景臣は先ほどよりも分かりやすく口角をあげた。

「社長の死因は失血死。胴体を数ヶ所、刺されていたということでした」
「……え、えぇ」

 それは警察署で聞かされた話だった。
 聞いたときにはあまりにも日常とかけ離れた事象だったために想像しなかったのだが、落ち着いた今、改めてその様子を言われてみるとめまいを覚えた。玲那は恐ろしい光景に目頭を押さえた。

「すみません、警察でお話を聞いているとき、顔色ひとつ変えていなかったので、平気かと思っていたのですが……」
「いえ……わたしの想像力が貧困すぎて、言葉の意味することを理解できていませんでした」
「ご無理をなさいませんように。気分が優れないようでしたら、車を止めますが」
「大丈夫です」

 玲那の顔色は良くなかったが、大丈夫だと判断して景臣は運転を続けた。

「警察の話によれば、社長は何者かに殺されてしまいました」
「……はい」
「どうして殺されたと思いますか」
「え……?」

 どうしてかと聞かれても、玲那は答えを持っていなかった。
 玲那が先ほど抱いた『道弘に死んで欲しい』という、心の奥で思っていたかもしれないことを、だれかが察してくれて殺されたということはないというのだけは分かった。
 まさか玲那との式を挙げた後に、なにか理由があって自分で刺したとも思えない。となると、玲那が知らない間に玲那が道弘を刺した、なんてことが起こっていない限り、やはりだれかが刺して殺したとしか思えない。

「社長はずっとなにかにおびえていらっしゃいました」
「そう……だったんですか」
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