この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第39章 【三十九話】永久就職

■ □ □
景臣の助言により、警察が尾行しているからと言って怪しい動きをすればますます心証が悪くなるだろうからということで、普段どおりの生活を送ることにした。
部屋に帰って喪服から普段着に着替え、定食屋へ夕飯を食べに行く。
朝は必ず、昼は出かけていれば来ない日もあるが、夜はほぼ毎日定食屋に来れば、顔なじみもできてくる。とはいえ、景臣が無言の威嚇をしているため、よほどの無神経な者か、なにを基準に選んだのかわからないが、景臣がよしとした人物としか玲那は話すことがなかった。
店内に入れば、夕飯時ということもあってさすがに混んでいたが、常連客が二人に気がついて席を空けてくれたため、すぐに座ることができた。そしてなにも言わなくても同じセットが二つ出てくるのも、なじみのもの。
そこまではいつもどおりだったが、しかし、今日は厨房からマスターが出てきて、玲那たちの横に立った。
「あ、マスター。いつもありがとうございます」
玲那は食べようとした手を止めて、顔をあげてマスターを見た。
白衣に白い帽子にマスクをしたマスターの表情はよくわからなかったが、少し困った顔をしていた。
「今日、警察がきて、二人のことを聞いてきた」
「……あぁ、すみません。ちょっとまた、事件に巻き込まれまして」
「そうか。それならいいんだが。……いや、よくないか。今日も変わらず来てくれて、安心したよ」
マスターはそれだけ言うと、また、奥へ引っ込んでいった。
玲那と景臣は顔を見合わせたが、お互いなにも言わず、食事を開始した。
景臣の助言により、警察が尾行しているからと言って怪しい動きをすればますます心証が悪くなるだろうからということで、普段どおりの生活を送ることにした。
部屋に帰って喪服から普段着に着替え、定食屋へ夕飯を食べに行く。
朝は必ず、昼は出かけていれば来ない日もあるが、夜はほぼ毎日定食屋に来れば、顔なじみもできてくる。とはいえ、景臣が無言の威嚇をしているため、よほどの無神経な者か、なにを基準に選んだのかわからないが、景臣がよしとした人物としか玲那は話すことがなかった。
店内に入れば、夕飯時ということもあってさすがに混んでいたが、常連客が二人に気がついて席を空けてくれたため、すぐに座ることができた。そしてなにも言わなくても同じセットが二つ出てくるのも、なじみのもの。
そこまではいつもどおりだったが、しかし、今日は厨房からマスターが出てきて、玲那たちの横に立った。
「あ、マスター。いつもありがとうございます」
玲那は食べようとした手を止めて、顔をあげてマスターを見た。
白衣に白い帽子にマスクをしたマスターの表情はよくわからなかったが、少し困った顔をしていた。
「今日、警察がきて、二人のことを聞いてきた」
「……あぁ、すみません。ちょっとまた、事件に巻き込まれまして」
「そうか。それならいいんだが。……いや、よくないか。今日も変わらず来てくれて、安心したよ」
マスターはそれだけ言うと、また、奥へ引っ込んでいった。
玲那と景臣は顔を見合わせたが、お互いなにも言わず、食事を開始した。

