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契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第41章 【四十一話】初体験
     ■ □ □

 玲那の口の中に、景臣の柔らかな陰茎の先がねじ込まれている。
 その状況に驚き、玲那は動けない。

「玲那、いつまでそうやってくわえているつもりだ? 俺は別にいいぞ、これでも」

 いつもと変わらない冷淡な声が降ってきて、玲那は混乱した。
 今のこの状況でもいいってどういうことか分からず、だけど聞きたくても口の中には先っぽが入っていて……。

「勃起してないんだから、もっとくわえこめるだろう?」

 くわえ込めと言われても、確かに柔らかいが、玲那の口にかろうじて収まるくらいの太さがあるのだし、そしてなによりも、これを口にくわえておくという状況に混乱していた。

「舌先で先をつついて」

 舌先で……つつく?

 酸素不足で頭がぼんやりする中、景臣に言われるがまま、奥で縮こまっていた舌を伸ばした。
 玲那の舌先は、つるりとしたなにかをとらえた。初めての感触を確かめるように舌を這わせれば、ぬるりとしたなにかが絡んできた。
 異常な状況から逃げるかのように、ゆっくりと慎重に、思ったよりもなめらかな感触を楽しむように舌を這わせていれば、それまでじっとしていた景臣の腰がゆらりと揺れ始めたのがソファの振動で分かった。
 玲那は恥ずかしくてずっと目を閉じていたのだが、うっすらと開いて視線を上げようとしたところで、景臣の左足の付け根付近に引きつれた縫い跡を見つけた。
 それは思ったよりも長く五センチくらいあった。最初、虫垂炎の手術跡かと思ったが、それだと右側だと思い出し──そして、小牧の一言を思い出して、ぎくりと身体が強ばり、舌が凍り付いたかのように止まった。
 それはすぐに景臣も気がついたようだ。景臣はさらに玲那が止めたことに抗議をするように身体を近づけてきて、前屈みになったことでソファが沈み込んだ。
 かたくなり始めた景臣の陰茎は玲那の喉の奥へと送り込まれ、思わず嘔吐いた。目尻に生理的な涙があふれて来たため、玲那は非難するために顔を上げ、睨み付けた。

「く……っ」
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