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契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第44章 【四十四話】人は死んだら星になる
 玲那は足を止め、景臣を見上げながら空を見た。
 青空の下の景臣はやはり似合わなくて、少しおかしかった。

「大好きだったお祖母さまが亡くなったときに、だれかに言われたんです」
「…………」
「そんなに泣いたら、天の川が氾濫して、お祖母さまは空に昇れないよ、と」

 だれに言われたのかまったく覚えていなかったけれど、それを聞いて、玲那は泣いてはならないと分かった。

「お祖母さまは空から見守ってくれているから、淋しくないとも言われました」

 そう言われて、幼い頃は信じていたのだけど、いつの間にか忘れていた。長じてからふと思い出し、疑問に思って調べてみたけれど、そんな言い伝えはなかった。
 だけど玲那は、人は死んだら星になると信じることにした。なんだかその方がロマンチックで夢があるような気がしたからだ。

「星になる……ね」

 景臣はそう言って、皮肉な笑みを浮かべたが、それはいつもより淋しそうに見えた。
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