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契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第44章 【四十四話】人は死んだら星になる

『川端家式場』と書かれた場所へ向かうと、長机の向こうに神妙な顔をした小牧が立っていた。
景臣はジャケットの懐から香典袋を取りだし、小牧とやりとりをしていた。
とそこで、気がついたことがあった。
前に道弘の葬式の時はそれぞれで香典を出したが、今回は夫婦になったのだから、一つの香典になっていた。そこで初めて、玲那は景臣と結婚したことを──こんな時だというのに、実感した。
会場に入ると、二人の葬儀だというのに、道弘のときとはまったく違い、とても狭かった。しかも参列者はぱらぱらとしかいなくて、もの淋しさを余計に感じさせた。
そんな中、葬儀は滞りなく終わった。
この葬儀場は火葬場も併設しているため、炉の前へ移動となった。
二人の柩が入れられ、焼き終わるのを待つだけとなった。
「景臣さん」
返事はなかったが、玲那は続けた。
「ちょっと気分が優れないので、外を散策しませんか」
「……別にいいぞ」
玲那の提案を景臣は受け入れてくれ、小牧に外に出てくると伝えると、腰を抱え込まれた。
少し歩きにくいと思いながらも玲那は施設の外に出た。
昨日の天気予報では、梅雨明けが近いと言っていたが、今日は少し湿度が高めではあるけれど、初夏の匂いがする空気だった。梅雨はほぼ明けているのではだろうか。空を見上げると、思っているよりも青い空だった。
「晴れていると、空に昇りやすいのでしょうか」
「……昇る?」
「人が死んだら星になるといいますけど、雨の日より晴れている方が昇りやすいのかなと思いまして」
「それは、初めて聞いた」
景臣はジャケットの懐から香典袋を取りだし、小牧とやりとりをしていた。
とそこで、気がついたことがあった。
前に道弘の葬式の時はそれぞれで香典を出したが、今回は夫婦になったのだから、一つの香典になっていた。そこで初めて、玲那は景臣と結婚したことを──こんな時だというのに、実感した。
会場に入ると、二人の葬儀だというのに、道弘のときとはまったく違い、とても狭かった。しかも参列者はぱらぱらとしかいなくて、もの淋しさを余計に感じさせた。
そんな中、葬儀は滞りなく終わった。
この葬儀場は火葬場も併設しているため、炉の前へ移動となった。
二人の柩が入れられ、焼き終わるのを待つだけとなった。
「景臣さん」
返事はなかったが、玲那は続けた。
「ちょっと気分が優れないので、外を散策しませんか」
「……別にいいぞ」
玲那の提案を景臣は受け入れてくれ、小牧に外に出てくると伝えると、腰を抱え込まれた。
少し歩きにくいと思いながらも玲那は施設の外に出た。
昨日の天気予報では、梅雨明けが近いと言っていたが、今日は少し湿度が高めではあるけれど、初夏の匂いがする空気だった。梅雨はほぼ明けているのではだろうか。空を見上げると、思っているよりも青い空だった。
「晴れていると、空に昇りやすいのでしょうか」
「……昇る?」
「人が死んだら星になるといいますけど、雨の日より晴れている方が昇りやすいのかなと思いまして」
「それは、初めて聞いた」

