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契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第46章 【四十六話】『安全宣言』

■ □ □
憂佳は、口から泡を吹きながら玲那めがけて包丁を構えて走ってきている。
景臣は、玲那を後ろから支えるように立っていたが、玲那を背中にかばい、前に出た。玲那は景臣の背中にしがみついて、逃げるように促したが、動かない。
「景臣さんっ!」
「あなたを護ると、約束したでしょう」
「でもっ」
憂佳は狂喜の笑みを浮かべ、包丁を上に構えて走り寄ってきた。
景臣は玲那の身体をブロックするように両腕を広げ、憂佳が包丁を振り下ろそうとしたところで左足で回転蹴りをした。
靴先が憂佳の右手首にきれいにヒットして、その拍子に包丁が宙に舞い、アスファルトまでぶっ飛び、カラカラと音を立てた。
「あ……」
憂佳は景臣に手首を蹴られて包丁を手放したと同時に足を止め、呆然と手首を見つめた。
そして遅れて、そこがずきずきと痛み出した。
「いったぁぁぁぃぃぃぃ!」
憂佳の悲鳴に、景臣は冷たく呟く。
「刺された方はその何倍……いや、何百倍、何千倍も痛かった」
景臣も昔、刺されたと聞いた。
きっとそのときのことを思い出しているのだろう。
あの左足の付け根の傷は、かなり大きかった。相当痛かったはずだ。
「景臣さん……」
「……ようやく、警察がきた。あとは任せよう」
「はい」
「それに、そろそろ火葬が終わる。骨を拾いながら、犯人は捕まったと報告してやろう。そうしないと、安心して星になれないのだろう?」
「え……あ、はいっ」
玲那と景臣の元に、遠藤が走ってくるのが見えた。
遠藤が到着したのを見て、景臣は地面に座り込んで、泣きじゃくっている憂佳を指さした。
「今の、見ていただろう? それに、自供した。あんたの好きな取り調べをたくさんできるぞ、よかったな」
遠藤が手錠を取り出して、憂佳の手首にはめるのを確認して、景臣は玲那の肩を抱いて、葬儀場の建物に向かって歩き出した。
憂佳は、口から泡を吹きながら玲那めがけて包丁を構えて走ってきている。
景臣は、玲那を後ろから支えるように立っていたが、玲那を背中にかばい、前に出た。玲那は景臣の背中にしがみついて、逃げるように促したが、動かない。
「景臣さんっ!」
「あなたを護ると、約束したでしょう」
「でもっ」
憂佳は狂喜の笑みを浮かべ、包丁を上に構えて走り寄ってきた。
景臣は玲那の身体をブロックするように両腕を広げ、憂佳が包丁を振り下ろそうとしたところで左足で回転蹴りをした。
靴先が憂佳の右手首にきれいにヒットして、その拍子に包丁が宙に舞い、アスファルトまでぶっ飛び、カラカラと音を立てた。
「あ……」
憂佳は景臣に手首を蹴られて包丁を手放したと同時に足を止め、呆然と手首を見つめた。
そして遅れて、そこがずきずきと痛み出した。
「いったぁぁぁぃぃぃぃ!」
憂佳の悲鳴に、景臣は冷たく呟く。
「刺された方はその何倍……いや、何百倍、何千倍も痛かった」
景臣も昔、刺されたと聞いた。
きっとそのときのことを思い出しているのだろう。
あの左足の付け根の傷は、かなり大きかった。相当痛かったはずだ。
「景臣さん……」
「……ようやく、警察がきた。あとは任せよう」
「はい」
「それに、そろそろ火葬が終わる。骨を拾いながら、犯人は捕まったと報告してやろう。そうしないと、安心して星になれないのだろう?」
「え……あ、はいっ」
玲那と景臣の元に、遠藤が走ってくるのが見えた。
遠藤が到着したのを見て、景臣は地面に座り込んで、泣きじゃくっている憂佳を指さした。
「今の、見ていただろう? それに、自供した。あんたの好きな取り調べをたくさんできるぞ、よかったな」
遠藤が手錠を取り出して、憂佳の手首にはめるのを確認して、景臣は玲那の肩を抱いて、葬儀場の建物に向かって歩き出した。

