この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第46章 【四十六話】『安全宣言』

□ ■ □
多香枝と依里佳のお骨を骨壷に詰め終わり、玲那と景臣はマンションへと戻った。
「景臣さん」
玲那は部屋に戻ると普段着に着替え、定位置のソファに腰掛けてから景臣に視線を向けた。
景臣も着替え終わっており、テーブルの上にノートパソコンを広げたところだったが、玲那の呼びかけに視線だけ上げた。
「景臣さんは、憂佳さんが犯人だって、気がついていたのですか」
問いかけても答えが返ってこないかもしれないと思ったけれど、それでも、聞かずにはいられなかった。
「社長が殺されたとき」
「はい」
「多香枝さんが殺したんだと思っていた」
「えっ」
玲那は景臣の返事に思わず驚いたが、よくよく考えてみれば、道弘はだれかに刺され、それが原因で死んだのだ。犯人がいなければ、成立しない。
「だけど、社長と多香枝さんは離婚してずいぶん経つ。とはいえ、多香枝さんは社長が玲那と結婚することでなにか不都合が生じるから、それを阻止するために社長を殺したのだろうか、とまず考えた」
道弘は、玲那と結婚をするから殺された……?
それが事実なら、玲那は間接的に道弘を殺したことにならないだろうか。
ぞっとして、景臣を見つめたが、玲那の視線に気がついていないのか、淡々と続けた。
「多香枝さんが社長を殺すことによって、なんのメリットがあるのか考えて──なにもないことに気がついたんだ。ただ、」
「ただ?」
「社長の再婚が決まったときに、多香枝さんは玲那に結婚を止めるように言ってきたんだよな?」
「はい」
「それを聞いて、やはり多香枝さんが犯人なのかと考えたが、どうにもちぐはぐするから、別ルートを考えることにした」
玲那はそんなことを考えてなくて、しかも犯人がいるなんて思いもしなかった。
「社長の仕事の手口はかなり強引というのは、数ヶ月、そばにいて分かっていた。だから仕事先のだれかに恨みを買ってと考えたんだが、そちらルートも動機が弱すぎて、すぐに却下した」
多香枝と依里佳のお骨を骨壷に詰め終わり、玲那と景臣はマンションへと戻った。
「景臣さん」
玲那は部屋に戻ると普段着に着替え、定位置のソファに腰掛けてから景臣に視線を向けた。
景臣も着替え終わっており、テーブルの上にノートパソコンを広げたところだったが、玲那の呼びかけに視線だけ上げた。
「景臣さんは、憂佳さんが犯人だって、気がついていたのですか」
問いかけても答えが返ってこないかもしれないと思ったけれど、それでも、聞かずにはいられなかった。
「社長が殺されたとき」
「はい」
「多香枝さんが殺したんだと思っていた」
「えっ」
玲那は景臣の返事に思わず驚いたが、よくよく考えてみれば、道弘はだれかに刺され、それが原因で死んだのだ。犯人がいなければ、成立しない。
「だけど、社長と多香枝さんは離婚してずいぶん経つ。とはいえ、多香枝さんは社長が玲那と結婚することでなにか不都合が生じるから、それを阻止するために社長を殺したのだろうか、とまず考えた」
道弘は、玲那と結婚をするから殺された……?
それが事実なら、玲那は間接的に道弘を殺したことにならないだろうか。
ぞっとして、景臣を見つめたが、玲那の視線に気がついていないのか、淡々と続けた。
「多香枝さんが社長を殺すことによって、なんのメリットがあるのか考えて──なにもないことに気がついたんだ。ただ、」
「ただ?」
「社長の再婚が決まったときに、多香枝さんは玲那に結婚を止めるように言ってきたんだよな?」
「はい」
「それを聞いて、やはり多香枝さんが犯人なのかと考えたが、どうにもちぐはぐするから、別ルートを考えることにした」
玲那はそんなことを考えてなくて、しかも犯人がいるなんて思いもしなかった。
「社長の仕事の手口はかなり強引というのは、数ヶ月、そばにいて分かっていた。だから仕事先のだれかに恨みを買ってと考えたんだが、そちらルートも動機が弱すぎて、すぐに却下した」

