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契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第47章 【四十七話】嘘でもいいから好きって言って

■ □ □
玲那自身で考えて、この先をどうするのか考えろ──。
景臣にそう言われ、玲那は小さく首を振った。
今まで、自分の身の振り方はだれかが決めていた。玲那は静かにそれに従うだけだった。
考えなくていいということは、とても楽なことだ。ましてや、それが失敗だったとしても、自分の判断ではないのだから、心も痛まない。
だけど、景臣と契約をしてからこちら、それではだめだということに、気がつかされた。
そして、とんでもない結果にはなったけれど、憂佳の行動を見ていて、玲那はそれではいけないことに気がついた。
玲那は、景臣と契約をしたとき、景臣への気持ちは伝えないと決めた。
でも、それでいいのかという気持ちが今、沸き出てきていた。
もしも憂佳が道弘にもっと早い段階で好きだという気持ちを伝えていれば、今とは違った結果になっていたかもしれない。
道弘は死ぬことなく、多香枝も、依里佳も生きていたかもしれない。
そうなった場合、玲那は景臣と出会ってなかった可能性が高い。
そして、実家はさらに困窮して、想像したくないひどい未来があったかもしれない。
そう考えると、現状は三人の死という犠牲の上に成り立っていて、玲那はそのことに気がついてしまったのだから、見過ごすことはできない。
やはり景臣に、自分の気持ちを伝えよう。
最近の様子を見ていたら、景臣は玲那の気持ちを受け入れてはくれないだろう。
そうだったなら、景臣が『安全宣言』をしてくれたのだから、玲那という呪縛から離してあげなければ、二人の未来は暗い。
もしも玲那の告白を受け入れてくれたならば、二人でよりよい未来を掴むため、こんな膿んだ生活から脱却しよう。
玲那はそう心に決め、祈るように胸の前で両手を握り合わせ、口を開いた。
「景臣さん……好きです」
「…………」
「ずっと──初めて逢ったときから、好き、でした」
玲那自身で考えて、この先をどうするのか考えろ──。
景臣にそう言われ、玲那は小さく首を振った。
今まで、自分の身の振り方はだれかが決めていた。玲那は静かにそれに従うだけだった。
考えなくていいということは、とても楽なことだ。ましてや、それが失敗だったとしても、自分の判断ではないのだから、心も痛まない。
だけど、景臣と契約をしてからこちら、それではだめだということに、気がつかされた。
そして、とんでもない結果にはなったけれど、憂佳の行動を見ていて、玲那はそれではいけないことに気がついた。
玲那は、景臣と契約をしたとき、景臣への気持ちは伝えないと決めた。
でも、それでいいのかという気持ちが今、沸き出てきていた。
もしも憂佳が道弘にもっと早い段階で好きだという気持ちを伝えていれば、今とは違った結果になっていたかもしれない。
道弘は死ぬことなく、多香枝も、依里佳も生きていたかもしれない。
そうなった場合、玲那は景臣と出会ってなかった可能性が高い。
そして、実家はさらに困窮して、想像したくないひどい未来があったかもしれない。
そう考えると、現状は三人の死という犠牲の上に成り立っていて、玲那はそのことに気がついてしまったのだから、見過ごすことはできない。
やはり景臣に、自分の気持ちを伝えよう。
最近の様子を見ていたら、景臣は玲那の気持ちを受け入れてはくれないだろう。
そうだったなら、景臣が『安全宣言』をしてくれたのだから、玲那という呪縛から離してあげなければ、二人の未来は暗い。
もしも玲那の告白を受け入れてくれたならば、二人でよりよい未来を掴むため、こんな膿んだ生活から脱却しよう。
玲那はそう心に決め、祈るように胸の前で両手を握り合わせ、口を開いた。
「景臣さん……好きです」
「…………」
「ずっと──初めて逢ったときから、好き、でした」

