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契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第47章 【四十七話】嘘でもいいから好きって言って
 玲那は震える声で、景臣に自分の気持ちを口にした。玲那は真っ直ぐに、景臣の瞳を見つめた。

 景臣は最初、玲那を見上げ、探るように視線を向けていたが、しばらくして、喉の奥で笑うと、口を開いた。

「俺を、好き?」
「はい。──愛しています」

 玲那の真っ直ぐな言葉に、景臣は鼻を鳴らすと、笑い出した。

「ははっ、これは傑作だな! 俺のことが好き、愛してるとは! こんな監禁をして無理矢理犯し、束縛する俺のことが好き! こういう状況を、なんというか知ってるか」
「……いえ」
「ストックホルム症候群(シンドローム)と言って、監禁、誘拐した犯人に好意や同情を抱くことをいう。小牧からここの傷のこと、聞いたんだろう? 俺の境遇に同情したか?」
「違います! こうなる前から、わたし……!」
「社長と結婚が決まっていたのに? はっ、依里佳と憂佳に言われていたが、とんだビッチだな!」
「違います!」

 好きな相手に誤解されることが悔しくて、玲那の瞳から涙が勝手にあふれ出してきた。玲那は慌てて瞬きをして、やり過ごしたが、涙が一粒、ぽろりとこぼれた。

「道弘さまと結婚が決まった後にお会いして、一目惚れでした。でも、道弘さまとの結婚を覆すのは難しく、たまにお会いできれば、それでいいと……思っていました」
「へえ?」
「それなのに、わたしの護衛をするということで、常にそばにいて、好きという気持ちがあふれて……でも、実家のことを思えば、気持ちを伝えられませんでした」
「なるほど。俺への気持ちはその程度だったと」
「え……」
「玲那は淫乱だから、俺が触らなくて、身体が疼いて仕方がないということか。好きと言えば抱いてもらえるとでも思ったか」
「そうでは……っ」
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