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契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第47章 【四十七話】嘘でもいいから好きって言って
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 目が覚めると、ずきずきと頭が痛む。目もすごく腫れぼったい。
 そして、昨日、泣き疲れて寝てしまったことを思い出し、また涙があふれてきたけれど、目を擦って涙を拭った。
 想いが破れたのは痛いけれど、泣いていたって始まらない。
 受け入れられずに拒否をされることの心の痛さは辛いけど、泣いていたって受け入れられるわけではない。
 まだ悲しくて油断をしたら泣いてしまいそうだったけれど、景臣のそばにいたらずっと心が痛いままだ。
 そして、幸いなことに景臣から記入済みの離婚届の用紙は渡されている。
 『安全宣言』はされたのだから、別れてしまおう。

 景臣は玲那のことが嫌いなのだろう。昨日の様子を見ていると、憎んでいるのかもしれない。
 ここのところの態度からしても、間違いなさそうだ。

 玲那はできれば景臣のそばにいたいけれど、嫌われている相手のそばにいられるほど、玲那の心は強くない。
 筒宮の屋敷は処分したとも聞いていないから、あそこに戻ってしばらくの間、ゆっくりしよう。
 景臣への想いが断ち切れたら、筒宮の血を次世代につないでいくために、適当な人と結婚しよう。
 景臣と離婚をしたらバツイチになるけれど、ぜいたくを言わなければ、相手はいるだろう。
 なんだったら、結婚しなくても、それなりの血筋の人物と一夜限りの関係になって子を作ってもいい。
 両親は海外のどこかの国に永住したという。玲那に口うるさく言う人などいない。
 血の器として役割をまっとうすれば、文句は言われないし、言わせない。

 玲那はそんな投げやりなことを思いながら、のろのろとベッドから降りて着替えをして、LDK部分へと行くと、いつもの朝と変わらない景臣がテーブルに座ってコーヒーを飲みながら新聞を読んでいた。
 その姿に玲那の心はずきりと痛む。
 やっぱり景臣のこと、好きだ。

 じわりと涙があふれてきたところに、景臣の事務的な声がした。

「今回の件で、話を聞きたいと警察から連絡が入った。行くぞ」
「……はい」

 玲那は懐にしまった離婚届の入った封筒を確認すると、玄関へと向かった。
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