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契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第48章 【四十八話】離婚届
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 警察での事情聴取は女性刑事で、要点を押さえたあっさりしたものだった。
 玲那は思ったよりも早く解放された。
 今回は景臣も事情聴取をされるということだったが、終わった後のことは特になにも言われていなかった。
 玲那が警察署を出ると、小牧が近寄ってきた。

「玲那さん、お疲れ。……というか、予想どおりだけど、その泣きはらした目、かなり目に毒だなあ」

 小牧の軽口を玲那はスルーして、うつむいて口を開いた。

「……小牧さん、お願いがあります」
「ま、想像はつくよ。景臣が『安全宣言』を出したと聞いたから、こういう展開になるのは予想どおりだよ」

 小牧は玲那の前に立つと、歩き出した。

「役所はこっちだよ。道すがら、ちょっとだけ話を聞かせて」
「はい」

 玲那の返事に小牧は足を緩めて、玲那の横に並んだ。

「婚姻届を出すのも立ち会ったのもあるから、離婚届も立ち会うけど、玲那さんはそれでいいの?」
「はい」
「ひとつ、聞いていい?」
「なんでしょうか」
「玲那さんはあんなくそ男でも、好きなの?」
「え……と、景臣さんのこと、ですよね?」
「そうだよ。プライバシーの侵害になるから詳しく聞いてないけど、あいつの言葉の端々から、玲那さんに対するひどい扱いは察することができるよ。でも、玲那さんはあんなにもひどい契約を結ばされても、ひどい扱いを受けても、景臣への愛にあふれてますっていうオーラがこう……なんというか、見ていてむずがゆいというか」
「……あの、わたし、そんなに景臣さんに対しての気持ち、あふれてました?」
「だれがどう見てもだだ洩れでしょ。気がついてないのは景臣本人だけだよ」
「そうですか」
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