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契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第48章 【四十八話】離婚届

玲那は小さく笑って、歩き出した。小牧もそれに合わせてついていく。
「小牧さん、本当に景臣さん思いですね」
「ああ、違うよ。今回は景臣よりも玲那さんが心配でさ。ま、あわよくばぼくとどう、と思ったけれど、話をして、景臣に勝てる気がしないから、止めておくよ」
「ふふっ、小牧さん、冗談が過ぎますよ」
「分かってないなぁ、玲那さん」
「なにがですか?」
「君は筒宮というのを抜きにしても、男をたぶらかす才能があるよ」
「……景臣さんにも言われました」
「そうだよねぇ。そうでなければ、あんな非人道的な契約をしたいなんて言わないだろうから」
「……え」
「でもまあ、景臣の思惑はともかく、玲那さんには悪いけど、一度、リセットすることも大切だと思うよ。あ、役所が見えてきたね。段差と階段があるから、気をつけて」
「あ、はい」
小牧に思いっきりはぐらかされたような気がしたが、玲那は気を引き締めて、役所に視線を向けた。
婚姻届を提出するときは景臣も一緒だったが、今回は小牧がいるとはいえ、一人。
大好きな人と少しの間だったけれど、ともに暮らし、家族になれたことは嬉しかった。
玲那は一度、俯いてから、想いを振り切るようにして顔を上げ、階段に足をかけた。
「小牧さん、本当に景臣さん思いですね」
「ああ、違うよ。今回は景臣よりも玲那さんが心配でさ。ま、あわよくばぼくとどう、と思ったけれど、話をして、景臣に勝てる気がしないから、止めておくよ」
「ふふっ、小牧さん、冗談が過ぎますよ」
「分かってないなぁ、玲那さん」
「なにがですか?」
「君は筒宮というのを抜きにしても、男をたぶらかす才能があるよ」
「……景臣さんにも言われました」
「そうだよねぇ。そうでなければ、あんな非人道的な契約をしたいなんて言わないだろうから」
「……え」
「でもまあ、景臣の思惑はともかく、玲那さんには悪いけど、一度、リセットすることも大切だと思うよ。あ、役所が見えてきたね。段差と階段があるから、気をつけて」
「あ、はい」
小牧に思いっきりはぐらかされたような気がしたが、玲那は気を引き締めて、役所に視線を向けた。
婚姻届を提出するときは景臣も一緒だったが、今回は小牧がいるとはいえ、一人。
大好きな人と少しの間だったけれど、ともに暮らし、家族になれたことは嬉しかった。
玲那は一度、俯いてから、想いを振り切るようにして顔を上げ、階段に足をかけた。

