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契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第48章 【四十八話】離婚届

だから、と玲那は続ける。
「わたしは、筒宮の血の器なんだそうです」
「景臣から聞いたよ。でもそれって、玲那さんの人権を無視した言葉だよね」
「でも、わたしはそう言われて育ってきましたし、それがわたしの生きている理由で、役割なんだと思ってます」
玲那の言葉に、小牧はため息をついた。
「子どもを産んだら役割は終わったと言わんばかりに死にそうで嫌だな」
「そんなつもりは」
「子どもは、産んでからが大変なんだよ。玲那さん風に言えば、器を次世代のまた次につなぐために、生きなければならないんだよ? それだけは覚えていて」
「はい」
そんな大切なこと、だれも教えてくれなかった。
「玲那さんがどう思うかはともかくとして、伯父さんは景臣の不始末として、ある程度の面倒は見てくれると思うよ。それに、山浦氏の遺産もあるし、筒宮の屋敷も伯父さんが今は管理してくれてるみたいだから、玲那さんはなにも困らないと思うよ」
「ありがとうございます」
「だけど、ぼくはやはりここで、一言言うよ」
小牧のその言葉に、玲那は足を止めた。小牧も合わせて足を止めた。
「玲那さん、景臣との離婚、もう一度、考え直してほしい」
「……それは、景臣さんのために、ですか」
「まさか! あいつがバツイチになろうが、バツが百回ついたって、自業自得だと思うけれど、ぼくは玲那さんのことを思って言ってるんだ」
「それでしたら、おかまいなく。ありがとうございます」
「はー、玲那さんも意外に頑固だね」
「そんなこと、初めて言われました」
「わたしは、筒宮の血の器なんだそうです」
「景臣から聞いたよ。でもそれって、玲那さんの人権を無視した言葉だよね」
「でも、わたしはそう言われて育ってきましたし、それがわたしの生きている理由で、役割なんだと思ってます」
玲那の言葉に、小牧はため息をついた。
「子どもを産んだら役割は終わったと言わんばかりに死にそうで嫌だな」
「そんなつもりは」
「子どもは、産んでからが大変なんだよ。玲那さん風に言えば、器を次世代のまた次につなぐために、生きなければならないんだよ? それだけは覚えていて」
「はい」
そんな大切なこと、だれも教えてくれなかった。
「玲那さんがどう思うかはともかくとして、伯父さんは景臣の不始末として、ある程度の面倒は見てくれると思うよ。それに、山浦氏の遺産もあるし、筒宮の屋敷も伯父さんが今は管理してくれてるみたいだから、玲那さんはなにも困らないと思うよ」
「ありがとうございます」
「だけど、ぼくはやはりここで、一言言うよ」
小牧のその言葉に、玲那は足を止めた。小牧も合わせて足を止めた。
「玲那さん、景臣との離婚、もう一度、考え直してほしい」
「……それは、景臣さんのために、ですか」
「まさか! あいつがバツイチになろうが、バツが百回ついたって、自業自得だと思うけれど、ぼくは玲那さんのことを思って言ってるんだ」
「それでしたら、おかまいなく。ありがとうございます」
「はー、玲那さんも意外に頑固だね」
「そんなこと、初めて言われました」

