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契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第7章 【七話】契約内容
■ □ □
玲那は小牧に言われた言葉の意味がよく分からなくて景臣を見たのだが、景臣の視線は向かい側に座る小牧に向いていた。
「なんだよ、景臣。玲那さんの了承を得ているような言い方だったじゃないか」
「得ていますよ。そのための筒宮さまの委任状です」
「あー、これ、ね」
小牧はそう言いながら、分厚いファイルの表紙を開いた一番上に乗っていた白い封筒を取り出した。
「金のために娘を売るってか。ま、かなり歳の離れた山浦氏より、おまえの方がマシ……なんだろうかねぇ」
小牧は玲那に同情したかのような声音でそう言うと、玲那に向き合った。
「筒宮家の台所事情は詳しく知らないけれど、相当やばいってのはなりふり構わない状況からいって察することができるんだけど、山浦氏の便宜だって、結局のところ、無担保で無利子の融資でしかなかったんだろう?」
「筒宮さまから預かった契約書によれば、そうなります」
「しかも一度に全額は渡さないって、まあ、山浦氏の判断は正しいけれど、娘を差し出した代償にしては安いもんだな」
玲那は交わされた契約の内容を知ろうとしなかったし、知りたいと言ったところできっと、両親も道弘も言葉を濁したであろうことは分かるが、相当な額が動いたということだけは察することができた。
「しかもだ、山浦氏から借りた金は山浦氏が亡くなっても、筒宮氏が亡くなっても全額を返すことになっていた。さらには、玲那さんに万が一のことがあったとしても、滞りなく返さなければならないって……。山浦氏も相当がめついねぇ」
「そうですが、それでよしとして筒宮さまは玲那さんを社長と結婚をさせようとしたのです」
小牧は信じられないと言わんばかりに首を振り、それから玲那の後ろに控えている景臣に視線を向けた。
「それで、おまえは山浦氏から借りたお金の一括返済を請け負う代わりに、玲那さんとの結婚を承諾させた、と」
「なにかいけませんか」
「なにかいけませんかって、なんだよそれ、おまえも結局、山浦氏と一緒か」
「いいえ。私はお金で玲那さんの身体を買ったのです」
玲那は小牧に言われた言葉の意味がよく分からなくて景臣を見たのだが、景臣の視線は向かい側に座る小牧に向いていた。
「なんだよ、景臣。玲那さんの了承を得ているような言い方だったじゃないか」
「得ていますよ。そのための筒宮さまの委任状です」
「あー、これ、ね」
小牧はそう言いながら、分厚いファイルの表紙を開いた一番上に乗っていた白い封筒を取り出した。
「金のために娘を売るってか。ま、かなり歳の離れた山浦氏より、おまえの方がマシ……なんだろうかねぇ」
小牧は玲那に同情したかのような声音でそう言うと、玲那に向き合った。
「筒宮家の台所事情は詳しく知らないけれど、相当やばいってのはなりふり構わない状況からいって察することができるんだけど、山浦氏の便宜だって、結局のところ、無担保で無利子の融資でしかなかったんだろう?」
「筒宮さまから預かった契約書によれば、そうなります」
「しかも一度に全額は渡さないって、まあ、山浦氏の判断は正しいけれど、娘を差し出した代償にしては安いもんだな」
玲那は交わされた契約の内容を知ろうとしなかったし、知りたいと言ったところできっと、両親も道弘も言葉を濁したであろうことは分かるが、相当な額が動いたということだけは察することができた。
「しかもだ、山浦氏から借りた金は山浦氏が亡くなっても、筒宮氏が亡くなっても全額を返すことになっていた。さらには、玲那さんに万が一のことがあったとしても、滞りなく返さなければならないって……。山浦氏も相当がめついねぇ」
「そうですが、それでよしとして筒宮さまは玲那さんを社長と結婚をさせようとしたのです」
小牧は信じられないと言わんばかりに首を振り、それから玲那の後ろに控えている景臣に視線を向けた。
「それで、おまえは山浦氏から借りたお金の一括返済を請け負う代わりに、玲那さんとの結婚を承諾させた、と」
「なにかいけませんか」
「なにかいけませんかって、なんだよそれ、おまえも結局、山浦氏と一緒か」
「いいえ。私はお金で玲那さんの身体を買ったのです」