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契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第8章 【八話】脅迫状
■ □ □
景臣が玲那をお金で『買った』ということでさえ衝撃的すぎて思考が停止しているというのに、さらにまだなにかがあるという。
玲那はまったく思い当たることがないのだが、それはもしかしなくても、道弘と関係のあることなのだろうか。
「ぼくはこれを見せるのはおすすめしないなあ。刺激が強すぎるよ」
「そう思うのなら、いちいち感想を述べなくていいだろう。おまえの言い方は好奇心を刺激するだけだ」
「えー、だけどなぁ」
「四の五の言わないで、見せろ」
景臣の命令に小牧は渋々と言った感じでなぜか白い手袋をはめると、あの分厚いファイルの束の中から真っ赤な封筒を取り出した。
「見せるけれど、触らないでね。これ、警察に回す予定だから」
警察、という言葉に、玲那は息をのんだ。そしてその意味するところを、玲那は瞬時に察してしまった。それは、玲那が何度か受け取ったことのあるもの。
ただ、今まで受け取ったものは白か茶色の素っ気ない封筒であったけれど、今回のは真っ赤な封筒だった。
封筒は裏側になっていて、ご丁寧に赤い封蝋がなされていた。この手のものでそんなものがされているのは初めて見た。
小牧がおもむろに表を向けると、そこにはいびつな形に切り貼りされた文字が乱雑に張られていた。
『つつ宮れいナ』と、わざとらしいくらいの宛名は、やはり何度か見た覚えのあるもの。
「中の手紙も見る?」
小牧はわざとなのか、軽い口調で玲那に問って来た。
玲那は少しだけ悩んで、結局、好奇心に負けて首を縦に振った。
「やっぱり見る?」
「……ここまで見せられて、中を確認しないという選択肢はなかなか取れないです」
「そっかー。もうさ、この、いかにも! な感じがすっごく胡散臭いよね! 笑っちゃうよね!」
と言って小牧はけらけらと笑っていたが、玲那は笑えなかった。今度の中身は、なんの予告状なのだろうか。
小牧は「仕方ないなー」といいながら、ペーパーナイフで開けたと思われる口から紙を取り出した。やはり中に入っていた紙も赤い。
「開くよー?」
景臣が玲那をお金で『買った』ということでさえ衝撃的すぎて思考が停止しているというのに、さらにまだなにかがあるという。
玲那はまったく思い当たることがないのだが、それはもしかしなくても、道弘と関係のあることなのだろうか。
「ぼくはこれを見せるのはおすすめしないなあ。刺激が強すぎるよ」
「そう思うのなら、いちいち感想を述べなくていいだろう。おまえの言い方は好奇心を刺激するだけだ」
「えー、だけどなぁ」
「四の五の言わないで、見せろ」
景臣の命令に小牧は渋々と言った感じでなぜか白い手袋をはめると、あの分厚いファイルの束の中から真っ赤な封筒を取り出した。
「見せるけれど、触らないでね。これ、警察に回す予定だから」
警察、という言葉に、玲那は息をのんだ。そしてその意味するところを、玲那は瞬時に察してしまった。それは、玲那が何度か受け取ったことのあるもの。
ただ、今まで受け取ったものは白か茶色の素っ気ない封筒であったけれど、今回のは真っ赤な封筒だった。
封筒は裏側になっていて、ご丁寧に赤い封蝋がなされていた。この手のものでそんなものがされているのは初めて見た。
小牧がおもむろに表を向けると、そこにはいびつな形に切り貼りされた文字が乱雑に張られていた。
『つつ宮れいナ』と、わざとらしいくらいの宛名は、やはり何度か見た覚えのあるもの。
「中の手紙も見る?」
小牧はわざとなのか、軽い口調で玲那に問って来た。
玲那は少しだけ悩んで、結局、好奇心に負けて首を縦に振った。
「やっぱり見る?」
「……ここまで見せられて、中を確認しないという選択肢はなかなか取れないです」
「そっかー。もうさ、この、いかにも! な感じがすっごく胡散臭いよね! 笑っちゃうよね!」
と言って小牧はけらけらと笑っていたが、玲那は笑えなかった。今度の中身は、なんの予告状なのだろうか。
小牧は「仕方ないなー」といいながら、ペーパーナイフで開けたと思われる口から紙を取り出した。やはり中に入っていた紙も赤い。
「開くよー?」