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契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第10章 【十話】変色した部屋
 それは事実であるが、玲那は景臣を睨みつけた。

「それに、社長は亡くなりましたが、借りたお金は返さなければならない。そんな状況で、身を守れますか? それとも玲那さん、多額の生命保険をかけておいて、おめおめと殺されて、その保険金でご実家を救いますか?」
「景臣、言い過ぎ」
「そんな馬鹿げたことから救えるのは、私しかいないと自負していますが、どうなんですか」

 それは景臣の言うとおりなのかもしれないが、やはり玲那は釈然としない。
 それはどうしてかと悩んで、すぐに答えが導き出された。
 小牧はこの契約は景臣にメリットがあり過ぎると言ったが、玲那にはそうは思えなかった。
 契約内容を見て、なにか捻れていると思ったのだが、それがなにか分かった。
 玲那の元に脅迫状が届いた。いつもならば警備員を雇うところだろうが、今の実家にはそんな余力がない。景臣が言うように、なにもしないで殺されるのも癪だが、警察に相談するなり、なんらかの手はある。

「そうよ、警察に言えばなんとかしてもらえるはず」
「警察に言っても、護衛はしてくれませんよ」

 景臣の冷たい言葉に、玲那はむっとして再度、景臣を睨みつけた。
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