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契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第11章 【十一話】プロポーズでは駄目なのでしょうかと聞けたら良かった
 小牧はあきれたように景臣を見た後、玲那を見た。

「ということで、入籍は山浦氏の四十九日が過ぎてから。それと、景臣。それまでは玲那さんとセックス禁止」
「っ!」
「言っておくけど、別に婚前交渉を否定してるわけではないよ。話がややこしくなるから、やめておけって話」
「分かった」

 景臣の返事に、玲那は真っ赤になった。

「挿入(いれ)なくてもできることはある」
「……ねえ、ぼくの話、聞いてた?」
「もちろん」

 景臣の真意がまったく分からなくて、玲那は真っ赤になったまま、うつむいた。

「それじゃあ、景臣が玲那さんの護衛をするために、すぐに契約しないといけないわけだね」
「そうなる」
「景臣の報酬が玲那さんの身体って書くのはそれが事実でもやっぱりいただけないなぁ。……ここは書き直してこよう。あと、籍を入れる時期は山浦氏の四十九日がきてからという文言を付け加えるよ。直してくるから、また少し待ってて」
「分かった」

 小牧はそれだけ言うと、また部屋を出ていった。

「あの、景臣さん」
「なんでしょうか」
「景臣さんの本当のお仕事は、なんですか」

 今までの話を聞いていて、玲那はふと疑問に思ったため聞くと、景臣は薄く笑った。

「親のすねかじりですよ」
「え」
「山浦社長から父に相談があり、安価で護衛を雇いたいと言われたそうです。そこで私の父は、ろくに働かなくて暇を持て余していた私を護衛と言って山浦社長のところに派遣したのです」

 それが事実ならば、景臣は護衛として失格なのではないだろうか。

「玲那さんがなにを心配されているのか分かります。私はこれでも一応、ボディガードとしての訓練は受けてますよ」

 景臣の言っている言葉がどこまで本当でどこまで嘘なのか分からないが、玲那は信じることにした。
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