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契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第12章 【十二話】景臣の本性

連れて来られたのはどうやらレストランのようで、店の入口にかわいらしい看板が掛かっていた。
普段の玲那であれば、それを見て喜んでいたと思われるが、景臣にされたことに気を取られていて、そぞろになっていた。
景臣にエスコートされて店内に足を踏み入れ、そのままどこかの部屋へ。
そこには、テレビで見たことのある男性と先ほどの女性が椅子に座っていた。今までの話からすると、男性は景臣の父親なのだろう。
「お待たせしました」
「……うむ。で、彼女が」
「はい、筒宮玲那さんです」
「彼女はたしか、山浦社長と結婚を……」
「えぇ、おっしゃるとおりです。ただ、社長は……」
「あぁ、玲那さん、この度は誠に遺憾なことになり……」
そう言って男性は悲しそうに眉尻を下げた。玲那はなんと返せばよいのか分からず、会釈をすることしかできなかった。
「社長は、身の危険を感じていらっしゃいました」
「そうだな。顧問弁護士をさせてもらっていたが、身辺警備のことを相談された」
「私が身内で、しかもそういった訓練をしていたからとあてがわれました」
それは確認というよりは、玲那に再度、事情を説明するかのような内容だった。
「山浦社長からの条件だったのだよ。身元が明らかなものではないと困る、と」
「……そうですか。それにしても、社長の身近にずっといましたが、特にそういったものを感じさせるような出来事はありませんでしたが、詳しい話はお聞きになられていますか」
「いや。最近、不穏な空気を感じるという曖昧なことしかおっしゃってなかった」
それなのに、身辺警護の相談をしたり、実際に景臣を雇ったりしていた。
「しかし、そんな風に身の危険を感じていたのに、結局、おまえを玲那さんの護衛として、ご自身にはだれもつけなかった」
「えぇ。そこに矛盾を感じていますし、なによりも護れなかったことが悔しいのです」
「……もしかしたら、だが」
普段の玲那であれば、それを見て喜んでいたと思われるが、景臣にされたことに気を取られていて、そぞろになっていた。
景臣にエスコートされて店内に足を踏み入れ、そのままどこかの部屋へ。
そこには、テレビで見たことのある男性と先ほどの女性が椅子に座っていた。今までの話からすると、男性は景臣の父親なのだろう。
「お待たせしました」
「……うむ。で、彼女が」
「はい、筒宮玲那さんです」
「彼女はたしか、山浦社長と結婚を……」
「えぇ、おっしゃるとおりです。ただ、社長は……」
「あぁ、玲那さん、この度は誠に遺憾なことになり……」
そう言って男性は悲しそうに眉尻を下げた。玲那はなんと返せばよいのか分からず、会釈をすることしかできなかった。
「社長は、身の危険を感じていらっしゃいました」
「そうだな。顧問弁護士をさせてもらっていたが、身辺警備のことを相談された」
「私が身内で、しかもそういった訓練をしていたからとあてがわれました」
それは確認というよりは、玲那に再度、事情を説明するかのような内容だった。
「山浦社長からの条件だったのだよ。身元が明らかなものではないと困る、と」
「……そうですか。それにしても、社長の身近にずっといましたが、特にそういったものを感じさせるような出来事はありませんでしたが、詳しい話はお聞きになられていますか」
「いや。最近、不穏な空気を感じるという曖昧なことしかおっしゃってなかった」
それなのに、身辺警護の相談をしたり、実際に景臣を雇ったりしていた。
「しかし、そんな風に身の危険を感じていたのに、結局、おまえを玲那さんの護衛として、ご自身にはだれもつけなかった」
「えぇ。そこに矛盾を感じていますし、なによりも護れなかったことが悔しいのです」
「……もしかしたら、だが」

