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契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第12章 【十二話】景臣の本性

あまりのギャップに玲那の頭は混乱していたけれど、シートベルトを外され、降りるように促されてしまえば従うしかない。
車を降りると、景臣がすぐに側にやってきた。
玲那の後ろにいるのは変わらないが、今までは一定の距離を保っていたのに、すぐそこに立っていた。
そればかりか玲那の後ろから抱きついてきて、身体の線をなぞり始めた。突然のことに玲那は対応できなくて、身体をかたくした。
玲那が抵抗しないことをいいことに、景臣の手は不埒に動き始め、両手で胸を覆われた。
「思っているより大きいな」
「なっ……!」
「もう感じてるのか? 淫乱だな」
「ちがっ」
景臣の手はそのまま胸を揉み始めたが、建物からだれかが出てきたことで玲那から離れた。そのことに玲那はホッとしたけれど、いきなりの景臣の行動に戸惑うばかりだ。
出てきた人物はだれかを探すかのように辺りを見回していて、そして玲那たちに気がつき、近寄ってきた。
「景臣さん」
玲那のところからは逆光気味で見えにくいが、スーツを着て髪を結い上げて眼鏡をかけた少し細めな感じの女性だった。どうやら景臣と知り合いのようだが、だれなのだろうか。
玲那がいぶかしく思いながら女性を見ていると、景臣が玲那を守るように前に進み出た。
景臣の背中はいつもどおりではあったが、タキシード姿のせいもあって、見知らぬ人のようにも見えた。
「……あぁ、母上。申し訳ございません」
景臣が母上と呼んだ人物は眼鏡のツルに指を当て、持ち上げた。
「早くしなさい。お父さま、次に行かなくてはならない時間よ」
「はい、すぐに参ります」
景臣はそう言うと、頭を下げた。
景臣が頭を下げたのを見た女性は、玲那を一瞥すると、建物の中へと入っていった。
玲那は女性に続いて中に入るべきなのか否か。判断をつけられなくて景臣を見ると、今までの無表情がなんだったのかと思うほど、甘い笑みを浮かべて玲那を見下ろしていた。
今までの景臣の態度すべてが偽りだったのか、それともこちらが装っているのか。
混乱していると、
「玲那、行くぞ」
と玲那の耳元に囁くと、肩を抱いて歩き始めた。
今まで、そんなことをされることがなかった玲那は、先ほどのこともあり、景臣の体温を感じたことで瞬時にして耳が熱くなってきた。
車を降りると、景臣がすぐに側にやってきた。
玲那の後ろにいるのは変わらないが、今までは一定の距離を保っていたのに、すぐそこに立っていた。
そればかりか玲那の後ろから抱きついてきて、身体の線をなぞり始めた。突然のことに玲那は対応できなくて、身体をかたくした。
玲那が抵抗しないことをいいことに、景臣の手は不埒に動き始め、両手で胸を覆われた。
「思っているより大きいな」
「なっ……!」
「もう感じてるのか? 淫乱だな」
「ちがっ」
景臣の手はそのまま胸を揉み始めたが、建物からだれかが出てきたことで玲那から離れた。そのことに玲那はホッとしたけれど、いきなりの景臣の行動に戸惑うばかりだ。
出てきた人物はだれかを探すかのように辺りを見回していて、そして玲那たちに気がつき、近寄ってきた。
「景臣さん」
玲那のところからは逆光気味で見えにくいが、スーツを着て髪を結い上げて眼鏡をかけた少し細めな感じの女性だった。どうやら景臣と知り合いのようだが、だれなのだろうか。
玲那がいぶかしく思いながら女性を見ていると、景臣が玲那を守るように前に進み出た。
景臣の背中はいつもどおりではあったが、タキシード姿のせいもあって、見知らぬ人のようにも見えた。
「……あぁ、母上。申し訳ございません」
景臣が母上と呼んだ人物は眼鏡のツルに指を当て、持ち上げた。
「早くしなさい。お父さま、次に行かなくてはならない時間よ」
「はい、すぐに参ります」
景臣はそう言うと、頭を下げた。
景臣が頭を下げたのを見た女性は、玲那を一瞥すると、建物の中へと入っていった。
玲那は女性に続いて中に入るべきなのか否か。判断をつけられなくて景臣を見ると、今までの無表情がなんだったのかと思うほど、甘い笑みを浮かべて玲那を見下ろしていた。
今までの景臣の態度すべてが偽りだったのか、それともこちらが装っているのか。
混乱していると、
「玲那、行くぞ」
と玲那の耳元に囁くと、肩を抱いて歩き始めた。
今まで、そんなことをされることがなかった玲那は、先ほどのこともあり、景臣の体温を感じたことで瞬時にして耳が熱くなってきた。

