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契約は継続します──報酬はあなたの身体で【完結】
第15章 【十五話】玲那の行く末
■ □ □
景臣の不穏な宣言に玲那は震えたが、しかし、すぐにおかしなことに気がついた。
いつもなら、玲那の住む筒宮家に戻るためには先ほど通過した信号を曲がらなければならないのだが、今日はなぜか真っ直ぐ進んでいるのだ。まさか景臣が間違っているとも思えなかったが、玲那は気になり、聞くことにした。
「景臣さん、道……間違ってませんか」
玲那の遠慮がちな問いかけに、景臣は片眉を上げ、笑ったのだが、それは玲那からは見えなかった。
「おや、気がつきましたか」
その声音はどこか馬鹿にしたような響きを伴っていたが、玲那はもうすぐ家に着くと思っていた矢先だったので、景臣の返答に落ち着かなくなり、気がつかなかった。
「俺は、あなたの身体を買ったのですよ」
「……あ!」
言われてみれば、そうだった。
ただ、小牧と景臣の父に入籍はまだ先と言われていたので、今日は家に帰るのだと、勝手に思っていた。
「筒宮の家に戻ってもいいのですよ?」
「え……」
玲那が食いついてきたところで、景臣は笑みを浮かべた。
「でも、別々の部屋で、なんてことはさせませんよ」
「ど、どういう……っ」
「俺はあなたの身体をもてあそぶ権利を買った。それなのに、別の部屋でなんて……そんなこと、許されるわけがない」
景臣はちらりと玲那に視線を向けた後、続けた。
「それとも、俺に後ろから胸を揉まれて感じまくっていた玲那は、期待していた?」
「なっ、なにをっ」
「赤い顔して、気持ち良さそうな表情をしていたのに?」
「違いますっ!」
「違ってもそうであっても、俺にはどちらでもいい」
景臣はそう告げると、ウインカーを左に出して曲がった。
「あの、どちらに……」
「俺の部屋、ですよ」
景臣の不穏な宣言に玲那は震えたが、しかし、すぐにおかしなことに気がついた。
いつもなら、玲那の住む筒宮家に戻るためには先ほど通過した信号を曲がらなければならないのだが、今日はなぜか真っ直ぐ進んでいるのだ。まさか景臣が間違っているとも思えなかったが、玲那は気になり、聞くことにした。
「景臣さん、道……間違ってませんか」
玲那の遠慮がちな問いかけに、景臣は片眉を上げ、笑ったのだが、それは玲那からは見えなかった。
「おや、気がつきましたか」
その声音はどこか馬鹿にしたような響きを伴っていたが、玲那はもうすぐ家に着くと思っていた矢先だったので、景臣の返答に落ち着かなくなり、気がつかなかった。
「俺は、あなたの身体を買ったのですよ」
「……あ!」
言われてみれば、そうだった。
ただ、小牧と景臣の父に入籍はまだ先と言われていたので、今日は家に帰るのだと、勝手に思っていた。
「筒宮の家に戻ってもいいのですよ?」
「え……」
玲那が食いついてきたところで、景臣は笑みを浮かべた。
「でも、別々の部屋で、なんてことはさせませんよ」
「ど、どういう……っ」
「俺はあなたの身体をもてあそぶ権利を買った。それなのに、別の部屋でなんて……そんなこと、許されるわけがない」
景臣はちらりと玲那に視線を向けた後、続けた。
「それとも、俺に後ろから胸を揉まれて感じまくっていた玲那は、期待していた?」
「なっ、なにをっ」
「赤い顔して、気持ち良さそうな表情をしていたのに?」
「違いますっ!」
「違ってもそうであっても、俺にはどちらでもいい」
景臣はそう告げると、ウインカーを左に出して曲がった。
「あの、どちらに……」
「俺の部屋、ですよ」