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九尾狐(クミホ)異伝
第2章 突然の求婚
突然の求婚
更に二日後の夜のこと。俊秀は町外れの酒場から上機嫌で帰り道を辿っていた。つい今し方まで、顔見知りの男と一緒だった。むろん、酒場でもその男と酒を差しつ差されつしていたのだ。
男もまた、俊秀がいつも店を出す近隣に露店を出している。言わば、気心の知れた顔馴染みといったところだ。燕(ヨン)水(ス)というその野菜売りは俊秀よりは数歳年長で、既に女房との間に二人の幼児がいる。小さな子どもというのは、とかく熱を出しがちだ。
俊秀はヨンスの子どもによく安値で薬草を分けてやり、ヨンスはヨンスでその礼にと売り物の野菜を託(ことづ)けてくれた。
更に二日後の夜のこと。俊秀は町外れの酒場から上機嫌で帰り道を辿っていた。つい今し方まで、顔見知りの男と一緒だった。むろん、酒場でもその男と酒を差しつ差されつしていたのだ。
男もまた、俊秀がいつも店を出す近隣に露店を出している。言わば、気心の知れた顔馴染みといったところだ。燕(ヨン)水(ス)というその野菜売りは俊秀よりは数歳年長で、既に女房との間に二人の幼児がいる。小さな子どもというのは、とかく熱を出しがちだ。
俊秀はヨンスの子どもによく安値で薬草を分けてやり、ヨンスはヨンスでその礼にと売り物の野菜を託(ことづ)けてくれた。