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九尾狐(クミホ)異伝
第2章 突然の求婚
大臣級の朝廷の高官の屋敷を囲む壁に次々と書き込まれ、朝にはその前に人だかりができて大騒ぎになる。屋敷の使用人たちが主人に命じられ、大慌てで消しても、数日後にはまた何者かによって同じ歌が書かれている。―そういったことの繰り返しだ。
この歌が独善的な考えに囚われている国王や、それにひたすら媚びへつらうだけの両班を鋭く皮肉ったものであることは明白だ。いつ、誰が作ったものかは判らないが、天の星が王や両班、いわゆる特権階級と呼ばれる人々であり、池の魚が民衆を指しているのは疑いようもない。
たとえ池にしか住めない魚でも、ひと跳ねすれば、この世界をも水浸しにしてしまう力を秘めている―つまり、何の力もないと侮られている民衆にも世の中を変えるだけの力はあるのだと、国王や両班への警告であり、今の世の中を諷刺した歌だ。
この歌が独善的な考えに囚われている国王や、それにひたすら媚びへつらうだけの両班を鋭く皮肉ったものであることは明白だ。いつ、誰が作ったものかは判らないが、天の星が王や両班、いわゆる特権階級と呼ばれる人々であり、池の魚が民衆を指しているのは疑いようもない。
たとえ池にしか住めない魚でも、ひと跳ねすれば、この世界をも水浸しにしてしまう力を秘めている―つまり、何の力もないと侮られている民衆にも世の中を変えるだけの力はあるのだと、国王や両班への警告であり、今の世の中を諷刺した歌だ。