この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
九尾狐(クミホ)異伝
第2章 突然の求婚
この娘を守ってやりたい。一生、この腕に抱きしめ、何もかもから守ってやりたい。そんな保護欲と所有欲の入り混じった気持ちが彼の中で渦巻いていた。
「出逢って二回めで、俺たち、まだお互いのことについて何も知らないから、いきなりこんなことを言っても、ふざけてるのかと思われても仕方ないとは思う。でも、俺は真剣なんだ。彩里、俺と結婚してくれ」
「―」
彩里は長い間、押し黙っていた。
やはり、駄目なのか。
覚悟していたとはいえ、俊秀の落胆は大きい。
あまつさえ、彩里はポロポロと大粒の涙さえ零し始めたのだ。これはもう絶望的と言って良いかもしれない。
「出逢って二回めで、俺たち、まだお互いのことについて何も知らないから、いきなりこんなことを言っても、ふざけてるのかと思われても仕方ないとは思う。でも、俺は真剣なんだ。彩里、俺と結婚してくれ」
「―」
彩里は長い間、押し黙っていた。
やはり、駄目なのか。
覚悟していたとはいえ、俊秀の落胆は大きい。
あまつさえ、彩里はポロポロと大粒の涙さえ零し始めたのだ。これはもう絶望的と言って良いかもしれない。