この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
歪んだ鏡が割れる時
第4章 第四章
「二人で少しずつ練習すれば、きっと何とも思わなくなるよ」

「俺、もう平気かも」

「もー、だめだめ、ちょっとずつだよ」

「わかった」

最寄駅で降り、今度は俺が茜の手を引いて歩いた。

「ここって新宿からそんなに離れてないのに、雰囲気が全然違うね」

「うん、まあ、小さい町だけど学生が多いし、結構賑やかだよ」

駅近くの商店街には、飲食店やカフェ、洋品店、古着屋に雑貨といった、女の子が好みそうな店が軒を連ねている。
違う通りには小さな劇場があるし、夜になれば、飲みに来る客でにぎわう通りもある。

「この商店街、歩いてるだけで楽しい」

嬉しそうにそんな事を言う茜は今、俺の職場の前を通り過ぎた。

駅から歩いて15分、閑静な住宅街に入った。

あの、築30年のおんぼろアパートを見て、茜は何を思うだろう。あのパチンコ屋が俺の今の職場だと知ったら、どんなにがっかりするだろう。
車もなくて、借金はあって……。
足が重くなってきた。

「のど乾いたね」

「あ、あのコンビニでなんか買おう。俺のアパートすぐそこだから」

コンビニの入口に停まっていたトラックが、荷卸しを済ませて動き出した。ちょっと立ち止まり、トラックが出ていくのを待った。

「り、亮ちゃん、見てすごい」

茜が耳打ちする。

「ん?……っっ」

入口付近のごみ箱の向こう側に、ユウがいた。

/195ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ