この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
歪んだ鏡が割れる時
第6章 第六章
あれが大人の世界なのか。
ユウの言ってた世間体ってやつの為?
嘘だらけじゃないか。
ひょっとして俺がおかしいのか?
なぜみんな涼しい顔が出来るんだ。
混乱してた俺の前に現れた高校生。
「どこかで会った気がする」と言った茜に、「へー、どこで会ったの?」って聞いた程だ。
でも茜の観察力と記憶力は正しくて、お嬢様のの挨拶を聞きながら、
「あ、前にコンビニで会った子だよ、ほら、亮ちゃんの事をおじさんて言ったあの子」
と、自信ありげに言った。
それは正にその通りで、彼女は間違いなくユウだった。
あの豪邸の、あの男の娘。
松岡悠希っていうちゃんとした名前もあった。
ユウは、俺を利用したんだろうか。
自宅を見張る為に。
俺の企てに、これ幸いと参加したのか?
「いやだっただろうね、お母さんとの思い出が詰まった部屋であんな事……」
ユウの気持ちを推し量ろうとする茜。
「そうだよな、わざわざそこでしなくても」
あの家を見上げていた、ユウの背中を思い出した。
ユウは、あの写真に想いを託したんだ。継母にやめて欲しくて。
せめて写真を見た父親が、妻に証拠を突きつけてさえいたら、ユウがあそこまでする事もなかった。
泣いてたな、ユウに初めて会った時。
何か見たのか?
ユウ、俺、何か力になれたか?
何も知らなくてごめん。
ユウの言ってた世間体ってやつの為?
嘘だらけじゃないか。
ひょっとして俺がおかしいのか?
なぜみんな涼しい顔が出来るんだ。
混乱してた俺の前に現れた高校生。
「どこかで会った気がする」と言った茜に、「へー、どこで会ったの?」って聞いた程だ。
でも茜の観察力と記憶力は正しくて、お嬢様のの挨拶を聞きながら、
「あ、前にコンビニで会った子だよ、ほら、亮ちゃんの事をおじさんて言ったあの子」
と、自信ありげに言った。
それは正にその通りで、彼女は間違いなくユウだった。
あの豪邸の、あの男の娘。
松岡悠希っていうちゃんとした名前もあった。
ユウは、俺を利用したんだろうか。
自宅を見張る為に。
俺の企てに、これ幸いと参加したのか?
「いやだっただろうね、お母さんとの思い出が詰まった部屋であんな事……」
ユウの気持ちを推し量ろうとする茜。
「そうだよな、わざわざそこでしなくても」
あの家を見上げていた、ユウの背中を思い出した。
ユウは、あの写真に想いを託したんだ。継母にやめて欲しくて。
せめて写真を見た父親が、妻に証拠を突きつけてさえいたら、ユウがあそこまでする事もなかった。
泣いてたな、ユウに初めて会った時。
何か見たのか?
ユウ、俺、何か力になれたか?
何も知らなくてごめん。