この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
歪んだ鏡が割れる時
第7章 最終章
改札の向こうに、人待ち顔の男性を見つけた。
スーツ姿を想像していた私は、スラックスとネクタイの上に、作業服のジャンパーを着込んだ雅人に面食らった。

私を見つけ、頷いて近づいてくる。

「透子」

明るい声に相槌を打ち、改札を抜け、傍まで行って向き合った。

「来ちゃった」

「うん、ひ、久しぶり」

雅人は頬が細くなり、少し痩せて見えた。
私の荷物がハンドバッグ以外にない事を確かめ、「行こうか」と照れて笑う。

「うん」

「善光寺口から出た所に駐車場があるんだ。そこに社の車を止めてある」

「はい」

必要な事だけを話し、相手の様子を伺いながら歩く私達。

「疲れなかった?」

「大丈夫。空いてたからゆっくり座れたわ」

「そう、よかった」

自然の光を取り込んだ、ドーム状の広場を過ぎて外に出ると、くっきりと晴れ渡った青空が私を出迎えてくれた。

「空気がおいしい」

「あはは、そう?」

「そうよ、全然違うわ」

夫に遅れないよう、足早に歩いた。

「どうぞ」

社名が入った軽ワゴン車の助手席のドアを開け、私を待つ夫。

「ありがとう、お邪魔します」



駅前のホテルや百貨店、スーパー、居酒屋、コンビニ。他の街とさほど変わらない賑やかな街並み。けれど少し目の前が開けると、雄大な山々が、ここまで来た事を思い出させてくれる。

/195ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ