この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
歪んだ鏡が割れる時
第1章 第一章
「こんばんは。いつも閉店間際ですまないね」

美波が「映画の声優みたい」というその声は、小声で話しても低くよく響いた。

「とんでもございません。どうぞゆっくりとご覧ください」

「君達、あまり高いものは勘弁してくれよ」

「はぁい」

1年前に初めて姿を見せた時、彼は、妻への贈り物だと言ってダイヤのネックレスを購入した。

その後もふらりと下見に訪れては、指輪やピアスを選んだり、今日のように、女性達を従えて訪れるという事も珍しくなかった。

連れてくる女性は皆若く、夜の仕事である事が見てとれた。けれど決して下品ではなく、高級ジュエリーを前にして、黄色い歓声を上げるようなことはなかった。

「君の耳に付けているのは?」

「あ、これは、ルビーなんです」

「いいね、よく似合ってる」

彼は来店する度に、必ず私のどこかを褒めた。それは、ただのお世辞ではない、ほのかな温もりをいつも胸に残していった。

店を出る時の「また来るよ」という言葉は、二人だけの、決して破られることのない約束事のように、なぜか私を安心させた。

女性二人に対応している白石と美波は、彼女らの好みに耳を傾けて、微笑みを絶やさない。

個人の売上げ成績に繋がるということもあって、松岡の来店は、店をあげての大歓迎だった。



/195ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ